2024年04月20日
4月18日(木) 太鼓山&俄虫沢
この時期の定番となっている自然部企画として、厚沢部町の太鼓山(171m)と俄虫沢を訪れ、「春の妖精」たちの姿を愛でた。参加はフリーを含めて22名。
道の駅「あっさぶ」で開店早々の買い物を済ませ、太鼓山スキー場の駐車場を9時32分に出発。林道をゆっくり登っていくと、脇にはいくつもの植生が目に入ってくる。先ず、オオウバユリ(大姥百合)の大きな葉。

花の後ろにある「距」が長いナガハシスミレ(長嘴菫)。別名はテングスミレ(天狗菫)。北海道南部と、本州の島根県までの主に日本海側に分布するという。
![ナガハシスミレ[テングスミレ] ナガハシスミレ[テングスミレ]](//img01.naturum.ne.jp/usr/s/a/n/sangakuclub2/20240418-B%E5%A4%AA%E9%BC%93%E5%B1%B1k%E4%BF%84%E8%99%AB%E6%B2%A2k%E3%83%8A%E3%82%AC%E3%83%8F%E3%82%B7%E3%82%B9%E3%83%9F%E3%83%AC%5B%E3%83%86%E3%83%B3%E3%82%B0%E3%82%B9%E3%83%9F%E3%83%AC%5Dk.jpg)
カタクリ(片栗)2態。

シラネアオイ(白根葵)は時期が早いのか、見かけた数は少なかった。

キバナイカリソウ(黄花碇草)の蕾が膨らんで、花を開くまでの4つの姿が見られた。

クロミノエンレイソウ(黒実延齢草)。

ヒトリシズカ(一人静)は、群生すると賑やか。

道幅が広いので、辺りを見回しながら歩いても大丈夫。

明るい空色のエゾエンゴサク(蝦夷延胡索)。赤紫色の花を付けた個体も見られる。

キクザキイチゲ(菊咲一華)。花弁のように見えるのは、がく片。

C120付近で林道は行き止まる。山道に入る前に休憩と水分補給。

山道に入ってすぐ、メンバーのひとりが二つのフデリンドウ(筆竜胆)の新芽を見つけた。「良い目をしているなあ~」と感心する(二つの目で二つの芽を発見)。

センボンヤリ(千本槍)は年に2回花を咲かせる(春型と秋型)。こちらは当然ながら、春型の花茎。

盛りは「これから」とか「まだまだ先」という植生たちも…。[左上]キジムシロ(雉莚)の蕾、[右上]ツルアリドオシ(蔓蟻通)の葉、[左下]クルマユリ(車百合)の葉、[右下]ヒメアオキ(姫青木)は光沢のある赤い実とテカテカ反射する葉が印象的な常緑低木。

太鼓山の頂上で、「はこだて自然倶楽部」ツアーのご一行とすれ違い、情報を交換した。
頂上を越えると、花の数が一段と増えてきた。カタクリが群生する斜面。

こちらはキクザキイチゲだらけの斜面。

太鼓山の下りから左前方に、若葉を開いてきたブナ(橅)と、その先はこの後に辿る標高点180ピーク。

C100の最低コルを通過し、標高点140ピークに向かう。

標高点140ピークを越え、ブナの大樹が立つ尾根を通って、C135付近で鶉地区の国道227号線「目名橋」付近から上がってきた林道に出る。
広くて乾いている林道で、時間をたっぷりとってランチタイムとする。

林道を200mほど進んで、標高点180ピークに向かう山道に入っていく。
この付近で見られた植生は、[左上]スミレサイシン(菫細辛)、[右上]アズキナ(小豆菜)、別名ユキザサ(雪笹)、[左下]クロモジ(黒文字)の花。枝や葉に精油成分が含まれ、枝を少し削ると甘く華やかでとても上品な香りがするため、高級爪楊枝にも使われる、[右下]ニリンソウ(二輪草)の花も出てきた。

地味なオクノカンスゲ(奥寒菅)、別名エゾカンスゲ(蝦夷寒菅)。
![オクノカンスゲ[エゾカンスゲ] オクノカンスゲ[エゾカンスゲ]](//img01.naturum.ne.jp/usr/s/a/n/sangakuclub2/20240418-U%E5%A4%AA%E9%BC%93%E5%B1%B1k%E4%BF%84%E8%99%AB%E6%B2%A2k%E3%82%AA%E3%82%AF%E3%83%8E%E3%82%AB%E3%83%B3%E3%82%B9%E3%82%B2%5B%E3%82%A8%E3%82%BE%E3%82%AB%E3%83%B3%E3%82%B9%E3%82%B2%5Dk.jpg)
標高点180ピークを越えて俄虫沢に降り立つと、また賑やかな花園が迎えてくれた。陽が照って頭を持ち上げてきたカタクリの花。

花の蕾を二つ付けたニリンソウ。花弁のように見えるのはがく片なので、緑色になる個体もある(ミドリニリンソウ)。

コバイケイソウ(小梅蕙草)の大きな葉。

本日のメインイベントであるエゾノリュウキンカ(蝦夷立金花)の大群落地が見えてきた。

エゾノリュウキンカの群生地を背景に、恒例の集合写真に納まる。

エゾノリュウキンカの群生は、毎年のことながら圧巻。群生地の中に入って土や植物を荒らさないようにしたい。

花をアップで撮ると、五弁(稀に四弁)花の黄色と濃い緑葉との対比が美しい。

雪解けとともに、ミズバショウ(水芭蕉)とエゾノリュウキンカは一緒に花を咲かせる。

そのほかに見かけた植生4態。[左上]俄虫沢で良く見かけるホソバエゾエンゴサク(細葉蝦夷延胡索)、[右上]キバナノアマナ(黄花甘菜)、[左下]ネコノメソウ(猫目草)の名前は、果実ができると2つに裂けて種が現れ、それが猫の細い瞳孔のように見えるところから、[右下]花の時期が終わりに近づいたフクジュソウ(福寿草)。

大トリは、端正なキクザキイチゲで締め。

キタコブシ(北辛夷)の花に見送られると、俄虫沢の出口はそぐそこ。

広い農地に出ると、北には乙部岳(1016.9m)一角の峰々が…。

沢を出て畔道と農道を歩き、駐車場には13時43分到着。

駐車場で点呼をとり、全員の安着を確認して解散した。
約3時間20分の逍遥(昼食時間を除く)で、たくさんの「春の妖精」たちに出会えた。これから盛りを迎える植生も多くあり、暫くは山野草探訪が楽しめそう。
この日は函館市(五稜郭公園)で「さくらの開花」が観測された(平年より10日早く、昨年より4日遅い開花)。
道の駅「あっさぶ」で開店早々の買い物を済ませ、太鼓山スキー場の駐車場を9時32分に出発。林道をゆっくり登っていくと、脇にはいくつもの植生が目に入ってくる。先ず、オオウバユリ(大姥百合)の大きな葉。

花の後ろにある「距」が長いナガハシスミレ(長嘴菫)。別名はテングスミレ(天狗菫)。北海道南部と、本州の島根県までの主に日本海側に分布するという。
![ナガハシスミレ[テングスミレ] ナガハシスミレ[テングスミレ]](http://img01.naturum.ne.jp/usr/s/a/n/sangakuclub2/20240418-B%E5%A4%AA%E9%BC%93%E5%B1%B1k%E4%BF%84%E8%99%AB%E6%B2%A2k%E3%83%8A%E3%82%AC%E3%83%8F%E3%82%B7%E3%82%B9%E3%83%9F%E3%83%AC%5B%E3%83%86%E3%83%B3%E3%82%B0%E3%82%B9%E3%83%9F%E3%83%AC%5Dk.jpg)
カタクリ(片栗)2態。

シラネアオイ(白根葵)は時期が早いのか、見かけた数は少なかった。

キバナイカリソウ(黄花碇草)の蕾が膨らんで、花を開くまでの4つの姿が見られた。

クロミノエンレイソウ(黒実延齢草)。

ヒトリシズカ(一人静)は、群生すると賑やか。

道幅が広いので、辺りを見回しながら歩いても大丈夫。

明るい空色のエゾエンゴサク(蝦夷延胡索)。赤紫色の花を付けた個体も見られる。

キクザキイチゲ(菊咲一華)。花弁のように見えるのは、がく片。

C120付近で林道は行き止まる。山道に入る前に休憩と水分補給。

山道に入ってすぐ、メンバーのひとりが二つのフデリンドウ(筆竜胆)の新芽を見つけた。「良い目をしているなあ~」と感心する(二つの目で二つの芽を発見)。

センボンヤリ(千本槍)は年に2回花を咲かせる(春型と秋型)。こちらは当然ながら、春型の花茎。

盛りは「これから」とか「まだまだ先」という植生たちも…。[左上]キジムシロ(雉莚)の蕾、[右上]ツルアリドオシ(蔓蟻通)の葉、[左下]クルマユリ(車百合)の葉、[右下]ヒメアオキ(姫青木)は光沢のある赤い実とテカテカ反射する葉が印象的な常緑低木。

太鼓山の頂上で、「はこだて自然倶楽部」ツアーのご一行とすれ違い、情報を交換した。
頂上を越えると、花の数が一段と増えてきた。カタクリが群生する斜面。

こちらはキクザキイチゲだらけの斜面。

太鼓山の下りから左前方に、若葉を開いてきたブナ(橅)と、その先はこの後に辿る標高点180ピーク。

C100の最低コルを通過し、標高点140ピークに向かう。

標高点140ピークを越え、ブナの大樹が立つ尾根を通って、C135付近で鶉地区の国道227号線「目名橋」付近から上がってきた林道に出る。
広くて乾いている林道で、時間をたっぷりとってランチタイムとする。

林道を200mほど進んで、標高点180ピークに向かう山道に入っていく。
この付近で見られた植生は、[左上]スミレサイシン(菫細辛)、[右上]アズキナ(小豆菜)、別名ユキザサ(雪笹)、[左下]クロモジ(黒文字)の花。枝や葉に精油成分が含まれ、枝を少し削ると甘く華やかでとても上品な香りがするため、高級爪楊枝にも使われる、[右下]ニリンソウ(二輪草)の花も出てきた。

地味なオクノカンスゲ(奥寒菅)、別名エゾカンスゲ(蝦夷寒菅)。
![オクノカンスゲ[エゾカンスゲ] オクノカンスゲ[エゾカンスゲ]](http://img01.naturum.ne.jp/usr/s/a/n/sangakuclub2/20240418-U%E5%A4%AA%E9%BC%93%E5%B1%B1k%E4%BF%84%E8%99%AB%E6%B2%A2k%E3%82%AA%E3%82%AF%E3%83%8E%E3%82%AB%E3%83%B3%E3%82%B9%E3%82%B2%5B%E3%82%A8%E3%82%BE%E3%82%AB%E3%83%B3%E3%82%B9%E3%82%B2%5Dk.jpg)
標高点180ピークを越えて俄虫沢に降り立つと、また賑やかな花園が迎えてくれた。陽が照って頭を持ち上げてきたカタクリの花。

花の蕾を二つ付けたニリンソウ。花弁のように見えるのはがく片なので、緑色になる個体もある(ミドリニリンソウ)。

コバイケイソウ(小梅蕙草)の大きな葉。

本日のメインイベントであるエゾノリュウキンカ(蝦夷立金花)の大群落地が見えてきた。

エゾノリュウキンカの群生地を背景に、恒例の集合写真に納まる。

エゾノリュウキンカの群生は、毎年のことながら圧巻。群生地の中に入って土や植物を荒らさないようにしたい。

花をアップで撮ると、五弁(稀に四弁)花の黄色と濃い緑葉との対比が美しい。

雪解けとともに、ミズバショウ(水芭蕉)とエゾノリュウキンカは一緒に花を咲かせる。

そのほかに見かけた植生4態。[左上]俄虫沢で良く見かけるホソバエゾエンゴサク(細葉蝦夷延胡索)、[右上]キバナノアマナ(黄花甘菜)、[左下]ネコノメソウ(猫目草)の名前は、果実ができると2つに裂けて種が現れ、それが猫の細い瞳孔のように見えるところから、[右下]花の時期が終わりに近づいたフクジュソウ(福寿草)。

大トリは、端正なキクザキイチゲで締め。

キタコブシ(北辛夷)の花に見送られると、俄虫沢の出口はそぐそこ。

広い農地に出ると、北には乙部岳(1016.9m)一角の峰々が…。

沢を出て畔道と農道を歩き、駐車場には13時43分到着。

駐車場で点呼をとり、全員の安着を確認して解散した。
約3時間20分の逍遥(昼食時間を除く)で、たくさんの「春の妖精」たちに出会えた。これから盛りを迎える植生も多くあり、暫くは山野草探訪が楽しめそう。
この日は函館市(五稜郭公園)で「さくらの開花」が観測された(平年より10日早く、昨年より4日遅い開花)。