2023年04月24日
4月23日(日) 札幌山
2021年4月25日以来、ちょうど2年ぶりに八雲町八雲の札幌山(539.8m)を訪れた。参加は7名。
登山口となる八雲町春日地区、標高点185の変則四差路の脇に車を停めて、9時23分に出発。入り口に車止めチェーンが張られた砂利敷きの林道を進む。

この2年の間に、林道が新しく整備されたようだ。かつてはエゾサンショウウオの卵嚢があった道路上の水溜まりはなくなり、代わって道端の沢底にミズバショウの群落があった。

北西-南東方向に伸びる高い鉄塔の送電線を潜ると、林道の傾斜がやや急になってジグを切る。急な箇所を過ぎて、衣服を調整する。振り返ると、キタコブシの花が美しかった。

C260付近で、林道は北東-南西(写真中央奥の札幌山方面)に伸びる小規模な送電線の下に達する。ここから送電線巡視路に入る前に、一休み。

送電線巡視路は千島笹が幅広く刈り払われて、歩きやすい。雪融け後、山野草が伸び始めていた。コバイケイソウの若葉。

咲き始めたエンレイソウ。

C360~C400は、このコースで最も傾斜がきつい。巻き道もあるが、登りは送電線下の斜面を登った。


急斜面の上から、八雲町八雲の平野と内浦湾を振り返る。左の丘に八雲町営スキー場がある。

C480付近で、旧い作業道を横切る。2年前はこの先から残雪上の歩きとなったが、今年は刈り払い道や周りにも雪がない。枯れ葉の間から、ポツポツと赤い茎芽が頭を出していた。イタドリの芽だろうか。

こちらはアザミの若葉。

間もなく頂上というところ、刈り払い道の脇に、一株だけひっそりとザゼンソウが開いていた。どんな瞑想にふけっているのだろう。

11時ちょうど、札幌山の頂上に到着。西風が強くて肌寒い中だったが、頂上に達して初めて見えた遊楽部山塊を背景に、全体集合写真を撮る。

西北西方向の遊楽部山塊を、少しズームで撮る。「道南アルプス」とも呼ばれる峰々。

冷水岳を、さらにズームアップ。

遊楽部岳も。

西南西に目を転じると、わずかに頭を出した雄鉾岳など、標高千m以下の八雲町の山々。

北北西には、狩場山塊が見えた。

背の高い笹薮が刈り払われた場所で、冷たい西風を避けてランチタイムとする。雪融けから間もなく開いたフキノトウが瑞々しい。

11時37分に下山を開始。途中で右手(南南東方向)の砂蘭部川(遊楽部川の支流)越しに、砂蘭部岳と横山が見えた。こちらも残雪は少ない。

刈り払い道の真ん中に出ていたザゼンソウ(?)の葉。

C360~C400の傾斜がきつい箇所は、巻き道を下る。たくさんの花を開いたキタコブシがあった。

キクザキイチゲの群落も。

林道を下る途中の法面に咲いていた、オオタチツボスミレ(?)とニョイスミレ。


12時52分、車を停めた標高点185の変則四差路に到着して、下山を終えた。

雲が多くて西風がやや強く、肌寒い天気であったが、風陰で陽が当たると暖かく感じられた。雪が融け終わって芽吹きが始まった山野草の姿を愛で、頂上からは遊楽部岳をはじめとする渡島半島中央部の山々の山座同定を楽しむことができた。
登山口となる八雲町春日地区、標高点185の変則四差路の脇に車を停めて、9時23分に出発。入り口に車止めチェーンが張られた砂利敷きの林道を進む。

この2年の間に、林道が新しく整備されたようだ。かつてはエゾサンショウウオの卵嚢があった道路上の水溜まりはなくなり、代わって道端の沢底にミズバショウの群落があった。

北西-南東方向に伸びる高い鉄塔の送電線を潜ると、林道の傾斜がやや急になってジグを切る。急な箇所を過ぎて、衣服を調整する。振り返ると、キタコブシの花が美しかった。

C260付近で、林道は北東-南西(写真中央奥の札幌山方面)に伸びる小規模な送電線の下に達する。ここから送電線巡視路に入る前に、一休み。

送電線巡視路は千島笹が幅広く刈り払われて、歩きやすい。雪融け後、山野草が伸び始めていた。コバイケイソウの若葉。

咲き始めたエンレイソウ。

C360~C400は、このコースで最も傾斜がきつい。巻き道もあるが、登りは送電線下の斜面を登った。


急斜面の上から、八雲町八雲の平野と内浦湾を振り返る。左の丘に八雲町営スキー場がある。

C480付近で、旧い作業道を横切る。2年前はこの先から残雪上の歩きとなったが、今年は刈り払い道や周りにも雪がない。枯れ葉の間から、ポツポツと赤い茎芽が頭を出していた。イタドリの芽だろうか。

こちらはアザミの若葉。

間もなく頂上というところ、刈り払い道の脇に、一株だけひっそりとザゼンソウが開いていた。どんな瞑想にふけっているのだろう。

11時ちょうど、札幌山の頂上に到着。西風が強くて肌寒い中だったが、頂上に達して初めて見えた遊楽部山塊を背景に、全体集合写真を撮る。

西北西方向の遊楽部山塊を、少しズームで撮る。「道南アルプス」とも呼ばれる峰々。

冷水岳を、さらにズームアップ。

遊楽部岳も。

西南西に目を転じると、わずかに頭を出した雄鉾岳など、標高千m以下の八雲町の山々。

北北西には、狩場山塊が見えた。

背の高い笹薮が刈り払われた場所で、冷たい西風を避けてランチタイムとする。雪融けから間もなく開いたフキノトウが瑞々しい。

11時37分に下山を開始。途中で右手(南南東方向)の砂蘭部川(遊楽部川の支流)越しに、砂蘭部岳と横山が見えた。こちらも残雪は少ない。

刈り払い道の真ん中に出ていたザゼンソウ(?)の葉。

C360~C400の傾斜がきつい箇所は、巻き道を下る。たくさんの花を開いたキタコブシがあった。

キクザキイチゲの群落も。

林道を下る途中の法面に咲いていた、オオタチツボスミレ(?)とニョイスミレ。


12時52分、車を停めた標高点185の変則四差路に到着して、下山を終えた。

雲が多くて西風がやや強く、肌寒い天気であったが、風陰で陽が当たると暖かく感じられた。雪が融け終わって芽吹きが始まった山野草の姿を愛で、頂上からは遊楽部岳をはじめとする渡島半島中央部の山々の山座同定を楽しむことができた。
2023年04月21日
4月20日(木) 太鼓山~俄虫沢(厚沢部町)
毎年この時期、自然部企画として厚沢部町の太鼓山(171m)と俄虫沢を訪れ、春の山野草、とりわけエゾノリュウキンカの大群落を愛でることが恒例となっている。今年は季節の進みが早いため、例年より一週間早めて実施した。参加はフリーを含めて22名。
高層雲に覆われた高曇りの空であったが、時折り陽が射した。道の駅「あっさぶ」で各自お目当ての買い物を済ませ、スキー場下の駐車場を9時48分に出発。定番の春の妖精たちが次々と出迎えてくれた。先ずはカタクリ(片栗)の花から。

[左上]キクザキイチゲ(菊咲一華)とカタクリ、[右上]エゾエンゴサク(蝦夷延胡索)、[左下]ニリンソウ(二輪草)、[右下]早くも見かけた蝶はエゾスジグロシロチョウ(蝦夷筋黒白蝶)か。

船の碇のような距(突起)を持つ、キバナイカリソウ(黄花碇草)。

ヒメアオキ(姫青木)の雄花。

シラネアオイ(白根葵)とカタクリの競演を2枚ずつ。

[左上]クロミノエンレイソウ(黒実の延齢草)、[右上]ヒトリシズカ(一人静)、[左下]スミレサイシン(菫細辛)、[右下]キブシ(木五倍子)は果実に含まれるタンニンが黒色染料のフシ(五倍子)の代用とされたことに因むという。

林道の脇に咲くカタクリやキクザキイチゲを眺めながら終点に到着し、休憩をとる。ここから山道を辿っていく。

太鼓山頂上に向かう山道に咲いていた花々。[左上]長い距が後ろ斜め上に伸びるナガハシスミレ(長嘴菫)、別名テングスミレ(天狗菫)、[右上]センボンヤリ(千本槍)、[左下]整った顔立ちのキクザキイチゲ、[右下]キジムシロ(雉莚)の蕾。

太鼓山の頂上に到着。大きな風格のある山名標識看板は、支柱が折れていた。立てかけた看板を入れて、1回目の全体集合写真を撮る。久々に復活されたメンバーも…。

カエデ、ナラ、カバの3種類の樹木が、寄り添って立っている。共生する姿勢が微笑ましい。

頂上をあとに、C100鞍部に向かって下る。

鞍部から140峰に登り返すと、右前方に204.6峰(三等三角点、点名:上ノ山)が見えた。

山道の右側斜面にあったブナ(橅)の古木。

C120尾根を通る山道の真ん中に、枝を広げて立つブナの大木があった。幹周りは人が手を繋いで二人半ほどなので、直径は1.3mくらい。

尾根上で見られた実・葉・花の4態。[左上]ツルアリドオシ(蔓蟻通)の赤い実、[右上]光沢があるオオウバユリ(大姥百合)の葉、[左下]オオカメノキ(大亀の木)の花、[右下]ブナの幼木。

北東方向から尾根を辿って伸びてきた林道の、小広い終点に到着。薄日が射す中で、早めのランチタイムとする。食後は林道を少し進み、180峰に向かう山道に入る。

陽当たりが良い所は、マイヅルソウ(舞鶴草)とギョウジャニンニク(行者大蒜)の葉で埋まっていた。

180峰へは、今回のコースで一番の急登。

180峰の頂上付近で、蕾を付けたヤマシャクヤク(山芍薬)を見つけた。

180峰から俄虫沢への下りも急なので、慎重に…。小さな蕾を付けた花は、カタクリだった。

俄虫沢に降り立つと、コバイケイソウ(小梅蕙草)の群落が…。

小さな沢を流れ落ちる滑滝を見に行ったメンバー。

そのメンバーがみつけた、2枚葉のエンレイソウ。がく片も2つ。

今年も広い沢の中で一面に咲く、エゾノリュウキンカの見事な群落を愛でることができた。毎年眺めていても、素晴らしい景観にはいつも見惚れる。

花をアップで撮る。花びら4弁のものも…。

群生地を背景に、2度目の全体集合写真を撮る。メンバーの表情も満足そう。


ミズバショウ(水芭蕉)も瑞々しい。

カタクリ、エンレイソウ、エゾエンゴサクなど、極楽のような花園。

最後も、花4態。[左上]オクエゾサイシン(奥蝦夷細辛)の花、[右上]ホソバエゾエンゴサク、[左下]キバナノアマナ(黄花の甘菜)、[右下]毎年のしんがりを務めるキタコブシ(北辛夷)の花。

乙部岳の一角、九郎岳(969.8m、三等三角点、点名:黒岳)の残雪も少なくなってきた。

14時、駐車場に到着。人数確認と挨拶を済ませ、現地で解散した。毎年に春の到来を告げてくれる花々にブラボー!!
高層雲に覆われた高曇りの空であったが、時折り陽が射した。道の駅「あっさぶ」で各自お目当ての買い物を済ませ、スキー場下の駐車場を9時48分に出発。定番の春の妖精たちが次々と出迎えてくれた。先ずはカタクリ(片栗)の花から。

[左上]キクザキイチゲ(菊咲一華)とカタクリ、[右上]エゾエンゴサク(蝦夷延胡索)、[左下]ニリンソウ(二輪草)、[右下]早くも見かけた蝶はエゾスジグロシロチョウ(蝦夷筋黒白蝶)か。

船の碇のような距(突起)を持つ、キバナイカリソウ(黄花碇草)。

ヒメアオキ(姫青木)の雄花。

シラネアオイ(白根葵)とカタクリの競演を2枚ずつ。

[左上]クロミノエンレイソウ(黒実の延齢草)、[右上]ヒトリシズカ(一人静)、[左下]スミレサイシン(菫細辛)、[右下]キブシ(木五倍子)は果実に含まれるタンニンが黒色染料のフシ(五倍子)の代用とされたことに因むという。

林道の脇に咲くカタクリやキクザキイチゲを眺めながら終点に到着し、休憩をとる。ここから山道を辿っていく。

太鼓山頂上に向かう山道に咲いていた花々。[左上]長い距が後ろ斜め上に伸びるナガハシスミレ(長嘴菫)、別名テングスミレ(天狗菫)、[右上]センボンヤリ(千本槍)、[左下]整った顔立ちのキクザキイチゲ、[右下]キジムシロ(雉莚)の蕾。

太鼓山の頂上に到着。大きな風格のある山名標識看板は、支柱が折れていた。立てかけた看板を入れて、1回目の全体集合写真を撮る。久々に復活されたメンバーも…。

カエデ、ナラ、カバの3種類の樹木が、寄り添って立っている。共生する姿勢が微笑ましい。

頂上をあとに、C100鞍部に向かって下る。

鞍部から140峰に登り返すと、右前方に204.6峰(三等三角点、点名:上ノ山)が見えた。

山道の右側斜面にあったブナ(橅)の古木。

C120尾根を通る山道の真ん中に、枝を広げて立つブナの大木があった。幹周りは人が手を繋いで二人半ほどなので、直径は1.3mくらい。

尾根上で見られた実・葉・花の4態。[左上]ツルアリドオシ(蔓蟻通)の赤い実、[右上]光沢があるオオウバユリ(大姥百合)の葉、[左下]オオカメノキ(大亀の木)の花、[右下]ブナの幼木。

北東方向から尾根を辿って伸びてきた林道の、小広い終点に到着。薄日が射す中で、早めのランチタイムとする。食後は林道を少し進み、180峰に向かう山道に入る。

陽当たりが良い所は、マイヅルソウ(舞鶴草)とギョウジャニンニク(行者大蒜)の葉で埋まっていた。

180峰へは、今回のコースで一番の急登。

180峰の頂上付近で、蕾を付けたヤマシャクヤク(山芍薬)を見つけた。

180峰から俄虫沢への下りも急なので、慎重に…。小さな蕾を付けた花は、カタクリだった。

俄虫沢に降り立つと、コバイケイソウ(小梅蕙草)の群落が…。

小さな沢を流れ落ちる滑滝を見に行ったメンバー。

そのメンバーがみつけた、2枚葉のエンレイソウ。がく片も2つ。

今年も広い沢の中で一面に咲く、エゾノリュウキンカの見事な群落を愛でることができた。毎年眺めていても、素晴らしい景観にはいつも見惚れる。

花をアップで撮る。花びら4弁のものも…。

群生地を背景に、2度目の全体集合写真を撮る。メンバーの表情も満足そう。


ミズバショウ(水芭蕉)も瑞々しい。

カタクリ、エンレイソウ、エゾエンゴサクなど、極楽のような花園。

最後も、花4態。[左上]オクエゾサイシン(奥蝦夷細辛)の花、[右上]ホソバエゾエンゴサク、[左下]キバナノアマナ(黄花の甘菜)、[右下]毎年のしんがりを務めるキタコブシ(北辛夷)の花。

乙部岳の一角、九郎岳(969.8m、三等三角点、点名:黒岳)の残雪も少なくなってきた。

14時、駐車場に到着。人数確認と挨拶を済ませ、現地で解散した。毎年に春の到来を告げてくれる花々にブラボー!!
2023年04月10日
4月9日(日) 写万部山
残雪期の写万部山(499.1m)は、2018年3月4日(クラックが発生して雪崩の危険があったため途中で撤退)以来5年振りに訪れた。今回は頂上からオタモイ山周回を計画していたが雪融けが早く、頂上往復に変更した。参加は8名。
登山口駐車場を9時57分に出発。陽が射す中、幅広く整備された登山道を歩く。この付近に雪は残っていない。

25分ほど歩いたC220付近で雨がパラパラと降ってきたので、レインウェアを着る。前方に写万部山の頂部が見えてきた。

ツルリンドウ(蔓竜胆)の濃い緑色の葉は、春を感じる。

C250付近は、短い距離ながらも急登となっている。

急登を上がったC260付近から麓を振り返る。長万部町の共立地区~静狩地区の平地と内浦湾の海岸線が望めた。残雪はまったく見えない。

C300を過ぎたあたりから上部で、わずかに残雪が現れてきた。

雨にしっとりと濡れて滑りやすい登山道の脇に、数株のカタクリが咲いていた。水玉を乗せた葉も美しい。

アラレや雪まで舞い始めた中、C400の稜線に上がる。頂上に向かう稜線の右側(南東側)斜面には、雪庇が崩落した名残りの雪塊。

南東~東方向に、近くはオタモイ山(三等三角点、点名:幌内3)と、遠くに幌扶斯山(ぽろぷすさん、三等三角点、点名も同じ)が見えた。幌扶斯山の裾が海に落ちる場所がイコリ岬で、手前の入り江の奥に秘境「小幌駅」がある。

雪融けを待って、頭を持ち上げてきたのはエゾイチゲ(蝦夷一華)か。

フキノトウ(蕗の薹)も瑞々しい。

辿ってきた稜線を振り返る。

登山道の真ん中にあったのは、シダ類のヒカゲノカズラ(日陰の葛)。

頂上直下を登る。

11時17分に到着した頂上では雪が降ってきて、辺りは一時的に白い空間になった。


写万部山の頂上には一等三角点が設けられ、「天測点」もある。天測点は、星の観測から観測地点の緯度経度を決める天文測量を行う地点として、地理調査所(現在の国土地理院)が定めた場所で、全国48か所に設置されたという。現在は天測点での天文測量は行われていないが、重い測量機器を載せて安定した測定を行うために作られたコンクリートの台座が今も残っている。道南では、北斗市・木古内町境の当別丸山(482.3m)にもある。
写真の遠景は、幌内山(841.6m)方面。

天測点の番号は「第六号」とあった。当別丸山は「第七号」。

北西の風が強くて寒い中ではあったが、恒例の全体集合写真を撮る。

雪が止んだので、頂上から周りの景観をカメラに収める。南東にオタモイ山。

南は登ってきたコースの小尾根と、遠景は長万部町中心部方面に向かう海岸線。

南東側斜面に残る、ブロック崩落しそうな雪塊。

西の長万部岳方面と、南西の山々。

冷たい北西風を避けて、頂上直下の笹薮の陰でランチタイムとする。何か「電車ゴッコ」をしているような…。下りのスリップに備えて、軽アイゼンを付けて…。

11時58分に下山を開始。稜線から西北西方向(画面中央のやや右)に、黒松内岳(740.0m)が見えた。

登山口を望遠で。

小尾根を下がって樹林帯に入ると、進行方向の木の枝に中型の鳥がしばらく止まっていた。望遠で撮ると、カケスだった。翼の縞模様や白い斑が目立つ。

間もなくゴールという頃に、陽が射して暖かさが感じられてきた。

12時48分、登山口駐車場に到着。濡れた泥道でのスリップ防止のために装着した軽アイゼン、登山靴やトレッキングポールの汚れをわずかに残った雪で落とし、挨拶を済ませて解散した。例年になく早い雪融けで春の雪山トレッキングはかなわず、雨や雪とやや強い風の天候ではあったが、春の雰囲気は十分に感じられた。帰路の楽しみは、カニ飯販売店や菓子工房・販売店での買い物…。
2016年3月27日、まだ雪がたっぷり残っている写万部山を訪れた時のブログは、こちらをどうぞ。
登山口駐車場を9時57分に出発。陽が射す中、幅広く整備された登山道を歩く。この付近に雪は残っていない。

25分ほど歩いたC220付近で雨がパラパラと降ってきたので、レインウェアを着る。前方に写万部山の頂部が見えてきた。

ツルリンドウ(蔓竜胆)の濃い緑色の葉は、春を感じる。

C250付近は、短い距離ながらも急登となっている。

急登を上がったC260付近から麓を振り返る。長万部町の共立地区~静狩地区の平地と内浦湾の海岸線が望めた。残雪はまったく見えない。

C300を過ぎたあたりから上部で、わずかに残雪が現れてきた。

雨にしっとりと濡れて滑りやすい登山道の脇に、数株のカタクリが咲いていた。水玉を乗せた葉も美しい。

アラレや雪まで舞い始めた中、C400の稜線に上がる。頂上に向かう稜線の右側(南東側)斜面には、雪庇が崩落した名残りの雪塊。

南東~東方向に、近くはオタモイ山(三等三角点、点名:幌内3)と、遠くに幌扶斯山(ぽろぷすさん、三等三角点、点名も同じ)が見えた。幌扶斯山の裾が海に落ちる場所がイコリ岬で、手前の入り江の奥に秘境「小幌駅」がある。

雪融けを待って、頭を持ち上げてきたのはエゾイチゲ(蝦夷一華)か。

フキノトウ(蕗の薹)も瑞々しい。

辿ってきた稜線を振り返る。

登山道の真ん中にあったのは、シダ類のヒカゲノカズラ(日陰の葛)。

頂上直下を登る。

11時17分に到着した頂上では雪が降ってきて、辺りは一時的に白い空間になった。


写万部山の頂上には一等三角点が設けられ、「天測点」もある。天測点は、星の観測から観測地点の緯度経度を決める天文測量を行う地点として、地理調査所(現在の国土地理院)が定めた場所で、全国48か所に設置されたという。現在は天測点での天文測量は行われていないが、重い測量機器を載せて安定した測定を行うために作られたコンクリートの台座が今も残っている。道南では、北斗市・木古内町境の当別丸山(482.3m)にもある。
写真の遠景は、幌内山(841.6m)方面。

天測点の番号は「第六号」とあった。当別丸山は「第七号」。

北西の風が強くて寒い中ではあったが、恒例の全体集合写真を撮る。

雪が止んだので、頂上から周りの景観をカメラに収める。南東にオタモイ山。

南は登ってきたコースの小尾根と、遠景は長万部町中心部方面に向かう海岸線。

南東側斜面に残る、ブロック崩落しそうな雪塊。

西の長万部岳方面と、南西の山々。

冷たい北西風を避けて、頂上直下の笹薮の陰でランチタイムとする。何か「電車ゴッコ」をしているような…。下りのスリップに備えて、軽アイゼンを付けて…。

11時58分に下山を開始。稜線から西北西方向(画面中央のやや右)に、黒松内岳(740.0m)が見えた。

登山口を望遠で。

小尾根を下がって樹林帯に入ると、進行方向の木の枝に中型の鳥がしばらく止まっていた。望遠で撮ると、カケスだった。翼の縞模様や白い斑が目立つ。

間もなくゴールという頃に、陽が射して暖かさが感じられてきた。

12時48分、登山口駐車場に到着。濡れた泥道でのスリップ防止のために装着した軽アイゼン、登山靴やトレッキングポールの汚れをわずかに残った雪で落とし、挨拶を済ませて解散した。例年になく早い雪融けで春の雪山トレッキングはかなわず、雨や雪とやや強い風の天候ではあったが、春の雰囲気は十分に感じられた。帰路の楽しみは、カニ飯販売店や菓子工房・販売店での買い物…。
2016年3月27日、まだ雪がたっぷり残っている写万部山を訪れた時のブログは、こちらをどうぞ。
2023年04月04日
4月2日(日) 北斗596峰
当初は北斗三角山(605m)を目指したが、雪融けが進んで北尾根は背の高い笹薮になっていたため登頂を諦め、中小屋林道の奥にある596峰を往復した。参加は19名。
大野ダム入口ゲート前を8時57分に出発。国道227号線を、車に注意しながら江差方面に300mほど歩いて、中小屋林道に入る。三角山の北側斜面は、地肌がかなり出ていた。

国道から林道の雪上に上がってスノーシューやかんじきを装着し、林道を辿っていく。

林道を400mほど進み、送電線下を左折して巡回路を上がる。途中で残雪が途切れてスノーシューなどを外し、尾根に出たところも雪は消えていた。左下に、出発した大野ダム入口ゲート付近が見えている。

三角山の頂上に向かう尾根稜線は、ご覧のとおり背の高い笹薮になっているため、登頂を断念。リーダー提案と参加者同意により、596峰を目指すことにした。

林道まで下がり、奥に向かって進み始める(10時3分)。暫くして、596峰が見えてきた。

雪が残る林道を、壷足で気持ち良く歩く。

林道のC420付近から、596峰に向かう尾根に取り付く。その前に休憩して展望を楽しんだ。北東方向に北斗市の最高峰・二股岳(825.6m)が見えた。

同じ地点から東方向には、登頂を断念した北斗三角山。雪はわずかに残っている程度。

春の陽射しを浴びながら、壷足のまま最初は緩く登っていく。

気持ち良い台地の先に、596峰の急な北側斜面が迫ってきた。

アイゼンを付けて、急な斜面を登る。

北西方向を振り返ると、中二股沢川と上二股沢川に挟まれた山域に、三角形の山がいくつか目に入った。左は615峰、右は712.0峰(三等三角点、点名:小滝)。
![615峰[左]と712峰[点名:小滝] 615峰[左]と712峰[点名:小滝]](//img01.naturum.ne.jp/usr/s/a/n/sangakuclub2/20230402-L%E5%8C%97%E6%96%97596%E5%B3%B0k615%E5%B3%B0%5B%E5%B7%A6%5D%E3%81%A8712%E5%B3%B0%5B%E7%82%B9%E5%90%8D%E3%83%BB%E5%B0%8F%E6%BB%9D%5Dk.jpg)
斜面の最後は、雪面と笹斜面のミックス帯。ここを慎重に通過して、頂上の一角に上がる。たくさんのサルノコシカケ類を付けたブナが立っていた。

11時45分、596峰の頂上に到着。付近は背の低い笹藪と、東側に残雪が少々。

頂上から、周辺の山々が指呼できた。南西は設計山(もっけやま、701.5m)方面。

南東隣りには628峰(通称:奥三角山)。
![頂上から南東隣りの628峰[奥三角山] 頂上から南東隣りの628峰[奥三角山]](//img01.naturum.ne.jp/usr/s/a/n/sangakuclub2/20230402-P%E5%8C%97%E6%96%97596%E5%B3%B0k%E9%A0%82%E4%B8%8A%E3%81%8B%E3%82%89%E5%8D%97%E6%9D%B1%E9%9A%A3%E3%82%8A%E3%81%AE628%E5%B3%B0%5B%E5%A5%A5%E4%B8%89%E8%A7%92%E5%B1%B1%5Dk.jpg)
東南東に北斗毛無山(750.4m)。

東北東に北斗三角山(605m)。

596峰の頂上東側に残った雪面で、二股岳を背景に入れて全体集合写真を撮る。

12時18分、下山を開始。雪の急斜面は、笹が茂った小尾根も使いながら慎重に下がる。相変わらず、二股岳などの山なみが青空を背景に美しく眺められた。

あちらこちらで、春の気配を感じることができた。雪面では「根開け」。

雪融け水を集めた、せせらぎや小さな滝の音。


水たまりで見かけた、エゾサンショウウオの卵嚢(らんのう)。

同じ場所で、こちらはエゾアカガエル。

キクザキイチゲ(菊咲一華)か。二輪咲いていた。

フキノトウ(蕗の薹)のトリオ。

フクジュソウ(福寿草)。

13時35分、大野ダム入口ゲート前に到着。挨拶と連絡事項伝達を終えて、解散した。
新年度最初の山行は、残雪不足のため目標の山を変えたが、結果的に春山を十分に楽しむことができた。新年度も、よろしくお願いいたします。
2022年3月20日、奥三角山から596m峰を周回したブログは、こちらをどうぞ。
大野ダム入口ゲート前を8時57分に出発。国道227号線を、車に注意しながら江差方面に300mほど歩いて、中小屋林道に入る。三角山の北側斜面は、地肌がかなり出ていた。

国道から林道の雪上に上がってスノーシューやかんじきを装着し、林道を辿っていく。

林道を400mほど進み、送電線下を左折して巡回路を上がる。途中で残雪が途切れてスノーシューなどを外し、尾根に出たところも雪は消えていた。左下に、出発した大野ダム入口ゲート付近が見えている。

三角山の頂上に向かう尾根稜線は、ご覧のとおり背の高い笹薮になっているため、登頂を断念。リーダー提案と参加者同意により、596峰を目指すことにした。

林道まで下がり、奥に向かって進み始める(10時3分)。暫くして、596峰が見えてきた。

雪が残る林道を、壷足で気持ち良く歩く。

林道のC420付近から、596峰に向かう尾根に取り付く。その前に休憩して展望を楽しんだ。北東方向に北斗市の最高峰・二股岳(825.6m)が見えた。

同じ地点から東方向には、登頂を断念した北斗三角山。雪はわずかに残っている程度。

春の陽射しを浴びながら、壷足のまま最初は緩く登っていく。

気持ち良い台地の先に、596峰の急な北側斜面が迫ってきた。

アイゼンを付けて、急な斜面を登る。

北西方向を振り返ると、中二股沢川と上二股沢川に挟まれた山域に、三角形の山がいくつか目に入った。左は615峰、右は712.0峰(三等三角点、点名:小滝)。
![615峰[左]と712峰[点名:小滝] 615峰[左]と712峰[点名:小滝]](http://img01.naturum.ne.jp/usr/s/a/n/sangakuclub2/20230402-L%E5%8C%97%E6%96%97596%E5%B3%B0k615%E5%B3%B0%5B%E5%B7%A6%5D%E3%81%A8712%E5%B3%B0%5B%E7%82%B9%E5%90%8D%E3%83%BB%E5%B0%8F%E6%BB%9D%5Dk.jpg)
斜面の最後は、雪面と笹斜面のミックス帯。ここを慎重に通過して、頂上の一角に上がる。たくさんのサルノコシカケ類を付けたブナが立っていた。

11時45分、596峰の頂上に到着。付近は背の低い笹藪と、東側に残雪が少々。

頂上から、周辺の山々が指呼できた。南西は設計山(もっけやま、701.5m)方面。

南東隣りには628峰(通称:奥三角山)。
![頂上から南東隣りの628峰[奥三角山] 頂上から南東隣りの628峰[奥三角山]](http://img01.naturum.ne.jp/usr/s/a/n/sangakuclub2/20230402-P%E5%8C%97%E6%96%97596%E5%B3%B0k%E9%A0%82%E4%B8%8A%E3%81%8B%E3%82%89%E5%8D%97%E6%9D%B1%E9%9A%A3%E3%82%8A%E3%81%AE628%E5%B3%B0%5B%E5%A5%A5%E4%B8%89%E8%A7%92%E5%B1%B1%5Dk.jpg)
東南東に北斗毛無山(750.4m)。

東北東に北斗三角山(605m)。

596峰の頂上東側に残った雪面で、二股岳を背景に入れて全体集合写真を撮る。

12時18分、下山を開始。雪の急斜面は、笹が茂った小尾根も使いながら慎重に下がる。相変わらず、二股岳などの山なみが青空を背景に美しく眺められた。

あちらこちらで、春の気配を感じることができた。雪面では「根開け」。

雪融け水を集めた、せせらぎや小さな滝の音。


水たまりで見かけた、エゾサンショウウオの卵嚢(らんのう)。

同じ場所で、こちらはエゾアカガエル。

キクザキイチゲ(菊咲一華)か。二輪咲いていた。

フキノトウ(蕗の薹)のトリオ。

フクジュソウ(福寿草)。

13時35分、大野ダム入口ゲート前に到着。挨拶と連絡事項伝達を終えて、解散した。
新年度最初の山行は、残雪不足のため目標の山を変えたが、結果的に春山を十分に楽しむことができた。新年度も、よろしくお願いいたします。
2022年3月20日、奥三角山から596m峰を周回したブログは、こちらをどうぞ。