2024年08月28日
8月25日(日) 袴腰岳(横津岳コース)
函館では7月下旬から日最高気温30℃以上の真夏日がちょくちょく現れ、当地なりに暑かった。暑さ疲れを癒すこともあって、「横津道路」上部ゲート手前の駐車場を発着して烏帽子岳(1078m)を経由する楽々コースを使い、函館市の最高峰である袴腰岳(1108.4m、一等三角点、点名:袴腰山)を往復した。参加は15名。
8時32分に駐車場(C965)を出発。横津岳頂上に向かう舗装道路を歩き、上部ゲートの柵をすり抜ける。

サクラ類の葉が、少し赤みを帯びていた。

横津道路の脇で見られた植生。[左上]エゾゴマナ(蝦夷胡麻菜)はシラヤマギク(白山菊)と良く似ているが葉の幅が細い、[右上]ミヤマアキノキリンソウ(深山秋の麒麟草)の別名はコガネギク(黄金菊)、[左下]キンミズヒキ(金水引)、[右下]アサギマダラに蜜を与えてきたヨツバヒヨドリ(四葉鵯)の花もそろそろ終わり。

標高点1121mがある丁字路で、横津岳頂上の航空路監視レーダーを眺めながら休憩。

道路を東に辿ると横津岳気象レーダーに行き当たる。右前方は手前に烏帽子岳、奥は袴腰岳。

舗装道路の脇は、エゾオヤマリンドウ(蝦夷御山竜胆)の青紫色の花で賑やかであった。

上空の気圧の谷の接近で巻雲が広がっていたところに、飛行機雲が現れた。直線状ではなく、紐を縒ったような面白い形をしていた。

気象レーダーの前から左の山道に入り、先ずは第1湿原(C1084、前方の平坦地)に向かう。道は幅広く刈り払われていて、歩きやすい。第1湿原は、函館市、七飯町、鹿部町の3市町境になっている。

第1湿原の先で小さな丘を越える。この丘は、国土地理院の地形図で緩やかに傾斜しているところや複雑な地形をしている地域などで使用される、標高5mごとの「補助曲線」の破線(1085m)で囲まれているので、地形図で確認されると良い。写真は丘から見た烏帽子岳の丸く穏やかな頂上と、左奥に袴腰岳。

横津岳~烏帽子岳間の最低鞍部にある第2湿原(C1040)を回り込む。8月中旬と22日・23日にややまとまった雨が降ったためか、池塘の水はいつもより多く見えた。

烏帽子岳の頂上に立ち寄って、通信施設群が建つ横津岳の頂上方面を振り返る。右下のやや褐色がかった平坦地が第2湿原。

頂上から南、函館市中心部方面を眺める。靄(もや)がかかって遠望は利かなかったが、雁皮山や庄司山、新中野ダム湖が見えた。

八月上旬は一面に咲いていたトウゲブキ群落の花もほとんどが枯れ、僅かな名残り花がある程度。

烏帽子岳から袴腰岳に向かう。

烏帽子岳~袴腰岳間の最低鞍部(C998)まで標高差80mを下がり、そこから110mを登り返す。

袴腰岳の西側、笹に覆われた斜面を登るメンバー。

山道でキアゲハの幼虫を見つけた。「5齢(終齢)」の姿なので蛹(さなぎ)になるのも近く、さらに2週間ほどで羽化して成虫になる段階らしい。しかし、これから羽化しても蜜を吸う花はあるのだろうか、それとも蛹で越冬するのだろうかと、少し心配になる。
途中で見かけた蝶も一緒に。[右上]クジャクチョウ(孔雀蝶)の翅には孔雀の飾り羽に似たカラフルな目玉模様がある。[右下]サカハチチョウ(逆八蝶)の夏型。翅の表に付いている白い模様が逆さの「八」の字に見える。春型と夏型では、別の種かと思えるほど斑紋に違いがあるという。

烏帽子岳~袴腰岳間で見られた花。[左上]エゾシオガマ(蝦夷塩釜)、[右上]ハナイカリ(花碇)、[左下]ハイオトギリ(這弟切)、[右下]ツリガネニンジン(釣鐘人参)の花も間もなく終わり。

11時24分、一等三角点がある袴腰岳の頂上に到着。まず、恒例の全体集合写真を撮る。

ランチタイムで優雅に冷たい素麺を楽しむメンバーに、写真を撮らせてもらった。具もたくさん入って、美味しそう。


11時52分、頂上を後に引き返す。ナナカマド(七竈)の実が赤く色付いてきた。

袴腰岳の下山中、右前方(北)に鹿部丸山(909.2m)。頂部草原の左端に南岩峰が白く見えている(右下に拡大して表示)。

コルから烏帽子岳に登り返す途中から、後方(北西方向)を眺める。右に泣面山(834.9m)、左は熊泊山(817.9m)。どちらの山も、最近はご無沙汰。

烏帽子岳の頂上に向かう山道と横津岳方面にトラバースする山道の分岐に上がって、一息入れる。
頭上から少し北の空に、面白い飛行機雲を見つけた。通常の飛行機雲は、高々度の低温で飽和状態の大気中をジェット機などが通過するとき、エンジンが放出する排気ガスが核となって水蒸気が凝結し、小さな氷の粒となってできる。これに対して写真の上半分では、同じ飛行機が通ったと思われる雲の一部が、轍(わだち)のように細長く帯状に消えている。ジェット機の排気ガスの熱によって大気中の氷の粒(雲粒)が昇華したためで、「消滅飛行機雲」とか「反対飛行機雲」と呼ばれる珍しい現象。通常の飛行機雲と消滅飛行機雲が切れ目なく繋がっているのも面白い。この境目で、湿度に大きな差があったのだろう(ジェット機が上昇または下降して湿度差の境を突っ切ったか)。さらに写真の下方には、飛行機雲の影が下にある巻雲に映っていて、これもなかなか珍しい。

第2湿原を回り込んで、これから「下山」の登り(標高差は約80m)にかかる。

有志10名が横津岳まで足をのばして植生を観察した。ナガバキタアザミ(長葉北薊)の花があった。昨年(2023年)8月に登った大雪山・黒岳でも、山道でたくさん見かけた。

最後に果実をどうぞ。[左上]ナワシロイチゴ(苗代苺)、[右上]イワツツジ(岩躑躅)、[左下]シラタマノキ(白玉の木)、[右下]コケモモ(苔桃)。

14時37分、「横津道路」上部ゲート先の駐車場に到着。挨拶を済ませて解散し、各車は慎重に麓へ下がった。
標高1000m弱から1100m前後の爽やかな高原をのんびりと歩き、初秋の雰囲気を存分に楽しむことができた。なお、この時期の袴腰岳は、年間計画では「新中野ダムコース」から登る予定であったが、アプローチ林道が荒れて車の通行ができなかったため、「横津岳コース」に変更となった。
8時32分に駐車場(C965)を出発。横津岳頂上に向かう舗装道路を歩き、上部ゲートの柵をすり抜ける。

サクラ類の葉が、少し赤みを帯びていた。

横津道路の脇で見られた植生。[左上]エゾゴマナ(蝦夷胡麻菜)はシラヤマギク(白山菊)と良く似ているが葉の幅が細い、[右上]ミヤマアキノキリンソウ(深山秋の麒麟草)の別名はコガネギク(黄金菊)、[左下]キンミズヒキ(金水引)、[右下]アサギマダラに蜜を与えてきたヨツバヒヨドリ(四葉鵯)の花もそろそろ終わり。

標高点1121mがある丁字路で、横津岳頂上の航空路監視レーダーを眺めながら休憩。

道路を東に辿ると横津岳気象レーダーに行き当たる。右前方は手前に烏帽子岳、奥は袴腰岳。

舗装道路の脇は、エゾオヤマリンドウ(蝦夷御山竜胆)の青紫色の花で賑やかであった。

上空の気圧の谷の接近で巻雲が広がっていたところに、飛行機雲が現れた。直線状ではなく、紐を縒ったような面白い形をしていた。

気象レーダーの前から左の山道に入り、先ずは第1湿原(C1084、前方の平坦地)に向かう。道は幅広く刈り払われていて、歩きやすい。第1湿原は、函館市、七飯町、鹿部町の3市町境になっている。

第1湿原の先で小さな丘を越える。この丘は、国土地理院の地形図で緩やかに傾斜しているところや複雑な地形をしている地域などで使用される、標高5mごとの「補助曲線」の破線(1085m)で囲まれているので、地形図で確認されると良い。写真は丘から見た烏帽子岳の丸く穏やかな頂上と、左奥に袴腰岳。

横津岳~烏帽子岳間の最低鞍部にある第2湿原(C1040)を回り込む。8月中旬と22日・23日にややまとまった雨が降ったためか、池塘の水はいつもより多く見えた。

烏帽子岳の頂上に立ち寄って、通信施設群が建つ横津岳の頂上方面を振り返る。右下のやや褐色がかった平坦地が第2湿原。

頂上から南、函館市中心部方面を眺める。靄(もや)がかかって遠望は利かなかったが、雁皮山や庄司山、新中野ダム湖が見えた。

八月上旬は一面に咲いていたトウゲブキ群落の花もほとんどが枯れ、僅かな名残り花がある程度。

烏帽子岳から袴腰岳に向かう。

烏帽子岳~袴腰岳間の最低鞍部(C998)まで標高差80mを下がり、そこから110mを登り返す。

袴腰岳の西側、笹に覆われた斜面を登るメンバー。

山道でキアゲハの幼虫を見つけた。「5齢(終齢)」の姿なので蛹(さなぎ)になるのも近く、さらに2週間ほどで羽化して成虫になる段階らしい。しかし、これから羽化しても蜜を吸う花はあるのだろうか、それとも蛹で越冬するのだろうかと、少し心配になる。
途中で見かけた蝶も一緒に。[右上]クジャクチョウ(孔雀蝶)の翅には孔雀の飾り羽に似たカラフルな目玉模様がある。[右下]サカハチチョウ(逆八蝶)の夏型。翅の表に付いている白い模様が逆さの「八」の字に見える。春型と夏型では、別の種かと思えるほど斑紋に違いがあるという。

烏帽子岳~袴腰岳間で見られた花。[左上]エゾシオガマ(蝦夷塩釜)、[右上]ハナイカリ(花碇)、[左下]ハイオトギリ(這弟切)、[右下]ツリガネニンジン(釣鐘人参)の花も間もなく終わり。

11時24分、一等三角点がある袴腰岳の頂上に到着。まず、恒例の全体集合写真を撮る。

ランチタイムで優雅に冷たい素麺を楽しむメンバーに、写真を撮らせてもらった。具もたくさん入って、美味しそう。


11時52分、頂上を後に引き返す。ナナカマド(七竈)の実が赤く色付いてきた。

袴腰岳の下山中、右前方(北)に鹿部丸山(909.2m)。頂部草原の左端に南岩峰が白く見えている(右下に拡大して表示)。

コルから烏帽子岳に登り返す途中から、後方(北西方向)を眺める。右に泣面山(834.9m)、左は熊泊山(817.9m)。どちらの山も、最近はご無沙汰。

烏帽子岳の頂上に向かう山道と横津岳方面にトラバースする山道の分岐に上がって、一息入れる。
頭上から少し北の空に、面白い飛行機雲を見つけた。通常の飛行機雲は、高々度の低温で飽和状態の大気中をジェット機などが通過するとき、エンジンが放出する排気ガスが核となって水蒸気が凝結し、小さな氷の粒となってできる。これに対して写真の上半分では、同じ飛行機が通ったと思われる雲の一部が、轍(わだち)のように細長く帯状に消えている。ジェット機の排気ガスの熱によって大気中の氷の粒(雲粒)が昇華したためで、「消滅飛行機雲」とか「反対飛行機雲」と呼ばれる珍しい現象。通常の飛行機雲と消滅飛行機雲が切れ目なく繋がっているのも面白い。この境目で、湿度に大きな差があったのだろう(ジェット機が上昇または下降して湿度差の境を突っ切ったか)。さらに写真の下方には、飛行機雲の影が下にある巻雲に映っていて、これもなかなか珍しい。

第2湿原を回り込んで、これから「下山」の登り(標高差は約80m)にかかる。

有志10名が横津岳まで足をのばして植生を観察した。ナガバキタアザミ(長葉北薊)の花があった。昨年(2023年)8月に登った大雪山・黒岳でも、山道でたくさん見かけた。

最後に果実をどうぞ。[左上]ナワシロイチゴ(苗代苺)、[右上]イワツツジ(岩躑躅)、[左下]シラタマノキ(白玉の木)、[右下]コケモモ(苔桃)。

14時37分、「横津道路」上部ゲート先の駐車場に到着。挨拶を済ませて解散し、各車は慎重に麓へ下がった。
標高1000m弱から1100m前後の爽やかな高原をのんびりと歩き、初秋の雰囲気を存分に楽しむことができた。なお、この時期の袴腰岳は、年間計画では「新中野ダムコース」から登る予定であったが、アプローチ林道が荒れて車の通行ができなかったため、「横津岳コース」に変更となった。
2024年08月25日
8月21日(水) 日高山脈・十勝幌尻岳(日程2)
日高山脈の核心部が見渡せる十勝幌尻岳(1845.7m)を目指して、「日程1(8/17~19)」に引き続き「日程2(8/20~22)」を実施した。参加は6名。
「日程1」と同じく、十勝幌尻岳の裾野に広がる自然豊かな帯広市八千代町「帯広畜産研修センター」の施設に前泊。
宿から見た十勝幌尻岳。中央の奥にある二つの峰の右側が頂上。

当日5時30分に宿を出発。戸蔦別林道からオピリネップ林道に入って登山口へ。帯広ナンバーの車が1台停まっていた。お一人で登山道を整備されている方でした(感謝!)。
6:28 出発。6:52 河原から山道への入り口はピンテを探しながら・・・あった!

7:02 山道の曲がり角で、河原方面に行かないようにしっかりとテープが。

9:27 ほぼ直登の急な登りの始まり。倒木あり、笹かぶりあり。

9:32 また倒木。

9:45 笹に覆われて足元が見づらい。

10:19 段差あり!手も使ってクリアー。

10:57 やっとロープ場が出てきた。あとは頂上までの稜線となる。

11:28 足元が岩とハイマツに覆われた登山道となる。頂上はもう少し。

最後の登り!

11:29 やったー!頂上に到着!

みんなで記念撮影。

残念ながら、周りは雲で真っ白・・・見えない!
晴れていれば多分、日高のお山がオンパレードなのでしょう。あっちが幌尻岳、戸蔦別岳、カムエクかな~と、山頂で空想にふける。

12:23 一時間ほど滞在して、下山を開始。15:56 登山口に無事到着。
あとは豚丼を目指して、帯広のお宿へ一目散~。
「日程1」と同じく、十勝幌尻岳の裾野に広がる自然豊かな帯広市八千代町「帯広畜産研修センター」の施設に前泊。
宿から見た十勝幌尻岳。中央の奥にある二つの峰の右側が頂上。

当日5時30分に宿を出発。戸蔦別林道からオピリネップ林道に入って登山口へ。帯広ナンバーの車が1台停まっていた。お一人で登山道を整備されている方でした(感謝!)。
6:28 出発。6:52 河原から山道への入り口はピンテを探しながら・・・あった!

7:02 山道の曲がり角で、河原方面に行かないようにしっかりとテープが。

9:27 ほぼ直登の急な登りの始まり。倒木あり、笹かぶりあり。

9:32 また倒木。

9:45 笹に覆われて足元が見づらい。

10:19 段差あり!手も使ってクリアー。

10:57 やっとロープ場が出てきた。あとは頂上までの稜線となる。

11:28 足元が岩とハイマツに覆われた登山道となる。頂上はもう少し。

最後の登り!

11:29 やったー!頂上に到着!

みんなで記念撮影。

残念ながら、周りは雲で真っ白・・・見えない!
晴れていれば多分、日高のお山がオンパレードなのでしょう。あっちが幌尻岳、戸蔦別岳、カムエクかな~と、山頂で空想にふける。

12:23 一時間ほど滞在して、下山を開始。15:56 登山口に無事到着。
あとは豚丼を目指して、帯広のお宿へ一目散~。
2024年08月21日
8月18日(日) 日高山脈・十勝幌尻岳(日程1)
今年6月25日に、国内35か所目、道内では7か所目の国立公園、「日高山脈襟裳十勝国立公園」が新たに指定された。これを記念して、道南からは「遠い存在」ではあるものの、褶曲山脈の山容を垣間見る企画として、日高山脈の核心部が見渡せる十勝幌尻岳(1845.7m)を選び、前後泊を含む「日程1(8/17~19)」と「日程2(8/20~22)」を設定した。今回の「日程1」の参加は5名。
前日は十勝幌尻岳の登山口に近い、帯広市八千代町「帯広畜産研修センター」の宿泊施設に投宿。
当日は5時30分に宿を出発し、戸蔦別川沿いの林道から支流のオピリネップ川沿いに上がる林道を辿り、終点の駐車場へ。釧路ナンバーの車で見えた男性2人組が出発するところであった。
駐車場を6時30分に出発。頂上までの標高差は1242m。

登山道は暫く樹林の中を辿っていく。

C630付近でオピリネップ川に出て、大きな礫が重なる河原を歩く。

C660付近で再び左岸の樹林帯に入る。C710付近には河原方面に向かわないよう、テープを張って通行が止められていた。ジグを2回切って、登山道を上がっていく。

C890付近で再び河原に出る。正面に見える広い礫の河原は枝沢であり、右手から流れ落ちる幅の狭い本沢を確認して、右手の樹林内に付けられた登山道に入る。

十勝幌尻岳の頂上から北に少し下がったところ(C1730付近)から、北東に落ちている急な尾根に取り付く。沢を離れて少しすると、笹被りの急登が始まる。

針葉樹林帯の中、単調で急な登りが続く。

所どころで倒木を乗り越えたり潜ったり。

主に針葉樹林の中なので、植生はあまり豊かではないが、時どき見かける花や果実が気持ちを和ませてくれる。[左上]ナナカマド(七竈)の実、[右上]ミヤマバイケイソウ(深山梅蕙草)三人組の緑色の花、[左下]シラネアオイ(白根葵)の実、[右下]ゴゼンタチバナ(御前橘)の花と実は6枚葉の株に付く。

C1600を超えて振り返ると、背後(北東方向)の十勝平野は一面の雲海に埋まっていた。

北方向には、右隣りの尾根(C1730付近でこちらの尾根とつながる)の途中にある1570峰と雲海。

C1730付近になると急な登りがようやく終わり、南の頂上に向かう緩やかな尾根道になる。北西方向に日高山脈北部の稜線が雲の間から見え隠れしていたが、山座同定には至らなかった。

こちらは、十勝幌尻岳の頂上から東にのびる長い尾根の途中にある1496峰。

頂上手前の稜線に咲く花と果実。[左上]イワブクロ(岩袋)、別名タルマイソウ(樽前草)は火山性の山の高山帯砂礫などに自生するのだが、日高山脈にもあるとは。[左下]コケモモ(苔桃)の実とキバナシャクナゲ(黄花石楠花)の蕾(このまま冬を越す)、[右]エゾオヤマリンドウ(蝦夷御山竜胆)の花は夏の終わりを告げる。

頂上が目の前に近づいてきた。直下を登るメンバー。

12時20分、予定よりかなり遅れて頂上に到着。昼食をとってから、恒例の全体集合写真に納まる。


頂上の岩に遭難慰霊の金属銘板があった。「昭和58年7月18日」とある。

頂上から北方向、登ってきた尾根の上部を俯瞰する。

頂上は周りを雲に取り囲まれ、展望はなかなか得られなかった。食事中や食後にシャッターチャンスを狙ったが、たまに雲の切れ間から鋭い峰を持ち上げる主脈の山並みが見えると、思わず歓声が上がった。
山座が同定できた写真を何枚か。頂上から北西方向、日高山脈北部の山並みを撮る。稜線の形状から、北戸蔦別岳(1912m、帯広市・日高町・平取町の三市町の境界)と思われる。


西方向を撮る。日高山脈の最高峰である幌尻岳(日高幌尻岳、2052.4m)は、左端の雲の隙間に見える黒い山影がそうだろうか。

西方向の雲が切れて、鋭い三角形の山が見えた。十勝幌尻岳と支尾根続きの札内岳であった。この支尾根は左に見える1869峰(帯広市・中札内村・新冠町の三市町村の境界)で主稜線と繋がり、その右の主稜線上には双耳峰のエサオマントッタベツ岳が聳えている。幌尻岳(日高幌尻岳)の頂上は雲の中。


13時5分、名残り惜しい頂上を後にする。尾根をかなり下がったところで、雲海の消えた十勝平野が見えた。

C650付近のオピリネップ川で見かけた、可愛らしい小滝。

下りで見た植生4態をどうぞ。[左上]青黒いツバメオモト(燕万年青)の実、[右上]唯一見かけたオクトリカブト(奥鳥兜)?の花は残念ながら萎れかかっていた、[左下]ユニークな姿のキツリフネ(黄釣船)の花、[右下]北アメリカ原産帰化植物のアレチマツヨイグサ(荒地待宵草)またはメマツヨイグサ(雌待宵草)。

泥で滑りやすく、岩や倒木が多くて笹を被った山道を慎重に歩き、予定時刻を2時間過ぎた17時に駐車場到着。宿への帰路、戸蔦別川沿いの林道をかなり走った所で携帯の電波が繋がり、緊急連絡先に無事の下山を伝えることができた。
麓の農道から十勝幌尻岳を振り返る。頂上はまだ、雲の中であった。

宿で入浴後、無事の登頂と下山を祝って生ビールで乾杯。夕食のジンギスカン定食も美味しくいただいた。
登山道は割合にしっかりしているが、泥と岩が混じり、倒木も結構多くて、しかも背の高い笹が被さっているため、足元に用心しながら進んだ。河原から樹林帯への出入り口はピンクテープが付けてあるものの、やや不明瞭なところがあり、全員の眼でコースを確かめながら歩いた。
昨年9月24日に開催された、十勝幌尻岳での北海道勤労者山岳連盟創立60周年記念登山に当会から参加できなかったが、今回の会山行で初めて登頂することができた。長時間で気の張る行動であったが、日高山脈の峨峨たる山並みの一旦を垣間見ることができた。
前日は十勝幌尻岳の登山口に近い、帯広市八千代町「帯広畜産研修センター」の宿泊施設に投宿。
当日は5時30分に宿を出発し、戸蔦別川沿いの林道から支流のオピリネップ川沿いに上がる林道を辿り、終点の駐車場へ。釧路ナンバーの車で見えた男性2人組が出発するところであった。
駐車場を6時30分に出発。頂上までの標高差は1242m。

登山道は暫く樹林の中を辿っていく。

C630付近でオピリネップ川に出て、大きな礫が重なる河原を歩く。

C660付近で再び左岸の樹林帯に入る。C710付近には河原方面に向かわないよう、テープを張って通行が止められていた。ジグを2回切って、登山道を上がっていく。

C890付近で再び河原に出る。正面に見える広い礫の河原は枝沢であり、右手から流れ落ちる幅の狭い本沢を確認して、右手の樹林内に付けられた登山道に入る。

十勝幌尻岳の頂上から北に少し下がったところ(C1730付近)から、北東に落ちている急な尾根に取り付く。沢を離れて少しすると、笹被りの急登が始まる。

針葉樹林帯の中、単調で急な登りが続く。

所どころで倒木を乗り越えたり潜ったり。

主に針葉樹林の中なので、植生はあまり豊かではないが、時どき見かける花や果実が気持ちを和ませてくれる。[左上]ナナカマド(七竈)の実、[右上]ミヤマバイケイソウ(深山梅蕙草)三人組の緑色の花、[左下]シラネアオイ(白根葵)の実、[右下]ゴゼンタチバナ(御前橘)の花と実は6枚葉の株に付く。

C1600を超えて振り返ると、背後(北東方向)の十勝平野は一面の雲海に埋まっていた。

北方向には、右隣りの尾根(C1730付近でこちらの尾根とつながる)の途中にある1570峰と雲海。

C1730付近になると急な登りがようやく終わり、南の頂上に向かう緩やかな尾根道になる。北西方向に日高山脈北部の稜線が雲の間から見え隠れしていたが、山座同定には至らなかった。

こちらは、十勝幌尻岳の頂上から東にのびる長い尾根の途中にある1496峰。

頂上手前の稜線に咲く花と果実。[左上]イワブクロ(岩袋)、別名タルマイソウ(樽前草)は火山性の山の高山帯砂礫などに自生するのだが、日高山脈にもあるとは。[左下]コケモモ(苔桃)の実とキバナシャクナゲ(黄花石楠花)の蕾(このまま冬を越す)、[右]エゾオヤマリンドウ(蝦夷御山竜胆)の花は夏の終わりを告げる。

頂上が目の前に近づいてきた。直下を登るメンバー。

12時20分、予定よりかなり遅れて頂上に到着。昼食をとってから、恒例の全体集合写真に納まる。


頂上の岩に遭難慰霊の金属銘板があった。「昭和58年7月18日」とある。

頂上から北方向、登ってきた尾根の上部を俯瞰する。

頂上は周りを雲に取り囲まれ、展望はなかなか得られなかった。食事中や食後にシャッターチャンスを狙ったが、たまに雲の切れ間から鋭い峰を持ち上げる主脈の山並みが見えると、思わず歓声が上がった。
山座が同定できた写真を何枚か。頂上から北西方向、日高山脈北部の山並みを撮る。稜線の形状から、北戸蔦別岳(1912m、帯広市・日高町・平取町の三市町の境界)と思われる。


西方向を撮る。日高山脈の最高峰である幌尻岳(日高幌尻岳、2052.4m)は、左端の雲の隙間に見える黒い山影がそうだろうか。

西方向の雲が切れて、鋭い三角形の山が見えた。十勝幌尻岳と支尾根続きの札内岳であった。この支尾根は左に見える1869峰(帯広市・中札内村・新冠町の三市町村の境界)で主稜線と繋がり、その右の主稜線上には双耳峰のエサオマントッタベツ岳が聳えている。幌尻岳(日高幌尻岳)の頂上は雲の中。


13時5分、名残り惜しい頂上を後にする。尾根をかなり下がったところで、雲海の消えた十勝平野が見えた。

C650付近のオピリネップ川で見かけた、可愛らしい小滝。

下りで見た植生4態をどうぞ。[左上]青黒いツバメオモト(燕万年青)の実、[右上]唯一見かけたオクトリカブト(奥鳥兜)?の花は残念ながら萎れかかっていた、[左下]ユニークな姿のキツリフネ(黄釣船)の花、[右下]北アメリカ原産帰化植物のアレチマツヨイグサ(荒地待宵草)またはメマツヨイグサ(雌待宵草)。

泥で滑りやすく、岩や倒木が多くて笹を被った山道を慎重に歩き、予定時刻を2時間過ぎた17時に駐車場到着。宿への帰路、戸蔦別川沿いの林道をかなり走った所で携帯の電波が繋がり、緊急連絡先に無事の下山を伝えることができた。
麓の農道から十勝幌尻岳を振り返る。頂上はまだ、雲の中であった。

宿で入浴後、無事の登頂と下山を祝って生ビールで乾杯。夕食のジンギスカン定食も美味しくいただいた。
登山道は割合にしっかりしているが、泥と岩が混じり、倒木も結構多くて、しかも背の高い笹が被さっているため、足元に用心しながら進んだ。河原から樹林帯への出入り口はピンクテープが付けてあるものの、やや不明瞭なところがあり、全員の眼でコースを確かめながら歩いた。
昨年9月24日に開催された、十勝幌尻岳での北海道勤労者山岳連盟創立60周年記念登山に当会から参加できなかったが、今回の会山行で初めて登頂することができた。長時間で気の張る行動であったが、日高山脈の峨峨たる山並みの一旦を垣間見ることができた。
2024年08月19日
8月18日 尾札部川
毎年お盆過ぎに歩くことにしている尾札部川に今年も出掛けた。今年は直前に雨が多かったり,気温もやや低かったので川の様子がどうなっているか心配だった。水温は心配したほど冷たくなかったが,水量は例年より多いと感じた。川の様子も随分変わっていてワイルドな尾札部川を楽しめた。参加者は16名,天気は晴れ予報の割には雲が多かったが川は快適だった。
9時20分駐車場を出発。

10分弱歩いて入渓。

カリガネソウの3カット。



クサギ。

サワシバ。

アカシデ2カット。


岩の上をマイマイカブリが歩いていた。

ツリフネソウ。

途中歩く様子を動画で。
11時大滝到着。ここも動画で。
場所が狭いので少しずつ記念写真を撮った。



大滝を背に全体写真。

広い河原まで戻って昼食にした。昼食後の帰り支度の様子。

13時駐車場到着。帰り支度を済ませて挨拶をしたのち,車毎に解散した。例年とちょっと違う尾札部川は野性味があってみなさん楽しめたと思う。
9時20分駐車場を出発。

10分弱歩いて入渓。

カリガネソウの3カット。



クサギ。

サワシバ。

アカシデ2カット。


岩の上をマイマイカブリが歩いていた。

ツリフネソウ。

途中歩く様子を動画で。
11時大滝到着。ここも動画で。
場所が狭いので少しずつ記念写真を撮った。



大滝を背に全体写真。

広い河原まで戻って昼食にした。昼食後の帰り支度の様子。

13時駐車場到着。帰り支度を済ませて挨拶をしたのち,車毎に解散した。例年とちょっと違う尾札部川は野性味があってみなさん楽しめたと思う。
2024年08月12日
8月11日(日) 松倉川(中流遡行)
函館市中心部では8月はじめから最高気温が29℃から30℃を少し超え、平均湿度80%超の蒸し暑い日が続いていた。函館市の寅沢町地区と三森町地区の境を流れる松倉川の中流域を遡行して、いっときの涼を楽しんだ。参加は14名。
目指すアカゲラの滝(C205付近)からの帰路用として林道(C220付近)に車を回してから、取水場近くの寅沢林道・寅の沢橋(C140付近)に集合。支度を整えて点呼と注意事項伝達を終え、9時20分に出発。取水堰の上まで、右岸に付けられた道を300mほど歩く。

取水堰を越えてから沢に入る。暫くは穏やかな流れが続く。

所どころで流れの速い瀬が現れるが、水深は深いところでも膝の少し上まで。流れに足をとられないよう、川底の岩や石で滑らないよう、ゆっくり慎重に渡渉する。

川辺に咲いていたモミジガサ(紅葉笠・紅葉傘)の花。

早瀬を何度も渡り返す。緑一色の世界に木漏れ日が射して、気持ちが良い。

一息入れた場所で、岩の上にミヤマクワガタを発見。

木漏れ日が射し込む、穏やかで明るい川底。

やや速い流れの瀬が続く箇所は、右岸に沿って進む。

大きな礫が積み重なった川原の日陰で、腰を下ろして休憩。

行程の半分近くに差し掛かると、大きくて丸い岩が連続して現れるようになる。

苔むした岩の上に鎮座していたエゾアカガエル。北海道に生息している在来種のカエルは、これとニホンアマガエルの、二種類のみだとか。

大きな岩の間は、ゴルジュ状の急流になっている。

大岩が積み重なる箇所を、慎重に進む。

大岩の群れを抜けると、川幅が少し広い瀬になっていた。

川の流れが岩壁の下をえぐって、深い瀞を形作っている。

どこからともなく芳香が漂ってきた。右岸を見上げるとクサギ(臭木)の花が咲いており、数匹のクロアゲハが集まっていた。名前の由来は、枝や葉をちぎると青臭いような独特な匂いがあることから。

こちらはノリウツギ(糊空木)の花。

左岸に堆積した砂の浜を歩く。

右岸の岩壁に柱状節理が現れていた。柱状節理は、火山から流れ出た比較的厚い溶岩がゆっくり冷え固まるとき、岩石の体積が収縮してできる角柱状の規則正しい割れ目。

岩に張り付く苔に混じって、所どころでダイモンジソウ(大文字草)の葉を見かけた。花の時期はこれから。
苔むした岩は、清流の象徴である。

11時35分、C200付近に設けられた堰堤に到着。人工物ではあるが、横一列に流れ落ちる水流に涼味を感じる。

堰堤を流れ落ちる水の幕を背景に、一回目の集合写真を撮る。

堰堤を越した先は広い礫の川原になっており、その対岸(右岸)の少し奥にアカゲラの滝が落ちている。ここで二回目の集合写真。

アカゲラの滝の全景。この滝下でチーフリーダーが「水垢離」をした。

会員のYmさんが作成した滝名標識。

広い礫の川原でゆっくりと昼食をとる。浅い川面に垂れ下がっていたヤマブドウ(山葡萄)の実とハウチワカエデ(羽団扇楓)の翼果。


食事を終え、山道を少し上がって林道に回した車に到着。沢装備を解いて、各車はフレスポ戸倉の駐車場に戻り、挨拶を終えて解散した。
当地なりに暑くて蒸す天候が続いていたため、この沢歩きは一服の清涼剤になった。急な滝登りやへつり、深い渡渉などの危険箇所がなく、安全に楽しむことができた。
松倉川は函館市の中で数少ない、自然が残された河川である。これからもこの自然を守り、楽しんでいきたいものである。
目指すアカゲラの滝(C205付近)からの帰路用として林道(C220付近)に車を回してから、取水場近くの寅沢林道・寅の沢橋(C140付近)に集合。支度を整えて点呼と注意事項伝達を終え、9時20分に出発。取水堰の上まで、右岸に付けられた道を300mほど歩く。

取水堰を越えてから沢に入る。暫くは穏やかな流れが続く。

所どころで流れの速い瀬が現れるが、水深は深いところでも膝の少し上まで。流れに足をとられないよう、川底の岩や石で滑らないよう、ゆっくり慎重に渡渉する。

川辺に咲いていたモミジガサ(紅葉笠・紅葉傘)の花。

早瀬を何度も渡り返す。緑一色の世界に木漏れ日が射して、気持ちが良い。

一息入れた場所で、岩の上にミヤマクワガタを発見。

木漏れ日が射し込む、穏やかで明るい川底。

やや速い流れの瀬が続く箇所は、右岸に沿って進む。

大きな礫が積み重なった川原の日陰で、腰を下ろして休憩。

行程の半分近くに差し掛かると、大きくて丸い岩が連続して現れるようになる。

苔むした岩の上に鎮座していたエゾアカガエル。北海道に生息している在来種のカエルは、これとニホンアマガエルの、二種類のみだとか。

大きな岩の間は、ゴルジュ状の急流になっている。

大岩が積み重なる箇所を、慎重に進む。

大岩の群れを抜けると、川幅が少し広い瀬になっていた。

川の流れが岩壁の下をえぐって、深い瀞を形作っている。

どこからともなく芳香が漂ってきた。右岸を見上げるとクサギ(臭木)の花が咲いており、数匹のクロアゲハが集まっていた。名前の由来は、枝や葉をちぎると青臭いような独特な匂いがあることから。

こちらはノリウツギ(糊空木)の花。

左岸に堆積した砂の浜を歩く。

右岸の岩壁に柱状節理が現れていた。柱状節理は、火山から流れ出た比較的厚い溶岩がゆっくり冷え固まるとき、岩石の体積が収縮してできる角柱状の規則正しい割れ目。

岩に張り付く苔に混じって、所どころでダイモンジソウ(大文字草)の葉を見かけた。花の時期はこれから。
苔むした岩は、清流の象徴である。

11時35分、C200付近に設けられた堰堤に到着。人工物ではあるが、横一列に流れ落ちる水流に涼味を感じる。

堰堤を流れ落ちる水の幕を背景に、一回目の集合写真を撮る。

堰堤を越した先は広い礫の川原になっており、その対岸(右岸)の少し奥にアカゲラの滝が落ちている。ここで二回目の集合写真。

アカゲラの滝の全景。この滝下でチーフリーダーが「水垢離」をした。

会員のYmさんが作成した滝名標識。

広い礫の川原でゆっくりと昼食をとる。浅い川面に垂れ下がっていたヤマブドウ(山葡萄)の実とハウチワカエデ(羽団扇楓)の翼果。


食事を終え、山道を少し上がって林道に回した車に到着。沢装備を解いて、各車はフレスポ戸倉の駐車場に戻り、挨拶を終えて解散した。
当地なりに暑くて蒸す天候が続いていたため、この沢歩きは一服の清涼剤になった。急な滝登りやへつり、深い渡渉などの危険箇所がなく、安全に楽しむことができた。
松倉川は函館市の中で数少ない、自然が残された河川である。これからもこの自然を守り、楽しんでいきたいものである。
2024年08月06日
8月4日(日) 横津岳~烏帽子岳
関東から西の地方は猛烈な暑さに見舞われているが、函館では7月21日に最高気温30.2℃の真夏日を観測して以降、オホーツク海高気圧と前線を伴う低気圧の影響で30℃未満の曇りや雨の天候が続いていた。
そんな中、近場の横津岳(1167m)から烏帽子岳(1078m)までをのんびり歩いて、夏の花観察を楽しんだ。参加は25名(フリー参加の1名を含む)。
9時7分、横津岳登山道路の上部ゲート前駐車場を出発して、先ずは横津岳の頂上を目指す。

舗装道路の両脇には、この時期の植生が次々に姿を見せてきた。先ずは、爽やかな薄紫色の花を付けるツリガネニンジン(釣鐘人参)。秋の到来を感じさせる。

ノビネチドリ(延根千鳥)の果実は、乾燥すると裂けて種子を放出する蒴果(さくか)。

横津岳までに見られた花々。[左上]ウツボグサ(靫草)、[右上]ハナイカリ(花碇)の右端の花に蟻が一匹、[左下]アキノキリンソウ(秋の麒麟草)、[右下]オオハンゴンソウ(大反魂草)は北米原産のキク科多年草で環境省指定特定外来生物(植物)。

霧の中から、横津岳の頂上に建つ国土交通省東京航空局運用の航空路監視レーダーが現れてきた。

横津岳頂上の建物前で、函館市内の高校生物部の先生や生徒、OBの方によるアサギマダラ移動状況調査のためのマーキング作業が行われていて、その様子を見せてもらうことができた。
この蝶は非常に長い距離を渡ることで知られ、マークをつけて放された蝶がどこかで再捕獲されることによって、移動の距離や所要日数を知ることができるという。

翅の裏側(蝶が花などに止まっているときに読みやすい)に、マーキングした地名や番号、人名が油性フェルトペンで記されて放たれる。メンバーのザックにぶら下がった、マーキング済みの個体。

頂上の一角にあるケルンと山名標識を入れて、集合写真を撮る(よく見るとひとり足りなかった)。晴れていれば、背景に北海道駒ヶ岳(1131m)の秀麗な姿が見えるのだが…。

ケルンの近くにあったコケモモ(苔桃)の実。

頂上の西側斜面に広がるトウゲブキ(峠蕗)の群落。

このあと向かう烏帽子岳と逆に、昨年に建設された新しい施設を確かめるため、有志で道路を北西に少し歩く。手前に見えるのがその施設で、奥は東京航空局のRCAG対空受信所。

これも東京航空局が運用する施設で、航空管制用SSR(二次監視レーダー)らしい。

烏帽子岳に向かう道路から少し入った横津神社前に広がる雲井沼。横津岳の山頂直下にも関わらず、枯れることなく水を湛えている。

雲井沼に咲く美しいスイレン(睡蓮)。うっとり眺めていると眠くなってくる。

函館地方気象台が運用する横津岳気象レーダーに到着。一息入れて、この左から山道に入っていく。

幅広く刈り払われた山道をゆっくりと歩く。時折り霧が晴れて、前方に目指す烏帽子岳が見えた。

横津岳~烏帽子岳間の最低コル(C1040)には、小さな沼を持つ第2湿原が広がる。

山道で見かけた花々。[左上]ハイオトギリ(這弟切)、[右上]ネジバナ(捩花)、[左下]チシマフウロ(千島風露)、[右下]ハナニガナ(花苦菜)は食したことはないが名前の通り驚くほど苦いという。

11時58分、広い烏帽子岳の頂上に到着。一面にトウゲブキの群落が広がっていた。ここでランチタイムとする。

トウゲブキの花の蜜を求めて、たくさんの昆虫が集まっていた。代表は、やはりアサギマダラ。

同じくアサギマダラを4枚。

マルハナバチの仲間とキアゲハ。

烏帽子岳から第2湿原方面を眺める。

霧が流れる烏帽子岳の頂上で、山名標識を入れて集合写真に納まる。

12時30分、烏帽子岳を後にして往路を戻る。第1湿原に来ると霧が晴れて、横津岳頂上周辺にある5つの通信施設群が見えてきた。
左から陸上自衛隊の横津岳無線中継所、東京航空局のRCAG対空送信所、気象庁の横津岳気象レーダー、東京航空局の航空路監視レーダー、北海道開発局の横津無線中継所。

第1湿原を回り込む。この湿原は乾燥化が進んでいる。

往路で見かけた植生。[左上]ミネザクラ(嶺桜、峰桜)かチシマザクラ(千島桜)の実、[右上]タカネトウウチソウ(高嶺唐打草)は特徴的な葉を持つ、[左下]モウセンゴケ(毛氈苔)、[右下]エゾオヤマリンドウ(蝦夷御山竜胆)は8月も下旬になると賑やかになる。

横津岳登山道路から少し入ったところに立つ石仏(弘法大師像)。錫杖(しゃくじょう)を突き、白色と金色に採色されている。

14時35分、上部ゲート前駐車場に到着。人数確認と挨拶を済ませ、その場で解散して各車慎重に麓へ下がった。
横津岳から烏帽子岳まで、トウゲブキなど多くの花を観察することができた。山は雲の中だったが、時には近場の展望も得られた。また、時折り雨粒が落ちてきたが短時間で止み、本降りにならずに済んだ。総じて、まずまずの天気であった。
横津岳の頂上でアサギマダラ移動状況調査のためのマーキングの様子を見せてもらうことができ、烏帽子岳でも何匹も観察できた。「チョー・ラッキー」ということで…。
そんな中、近場の横津岳(1167m)から烏帽子岳(1078m)までをのんびり歩いて、夏の花観察を楽しんだ。参加は25名(フリー参加の1名を含む)。
9時7分、横津岳登山道路の上部ゲート前駐車場を出発して、先ずは横津岳の頂上を目指す。

舗装道路の両脇には、この時期の植生が次々に姿を見せてきた。先ずは、爽やかな薄紫色の花を付けるツリガネニンジン(釣鐘人参)。秋の到来を感じさせる。

ノビネチドリ(延根千鳥)の果実は、乾燥すると裂けて種子を放出する蒴果(さくか)。

横津岳までに見られた花々。[左上]ウツボグサ(靫草)、[右上]ハナイカリ(花碇)の右端の花に蟻が一匹、[左下]アキノキリンソウ(秋の麒麟草)、[右下]オオハンゴンソウ(大反魂草)は北米原産のキク科多年草で環境省指定特定外来生物(植物)。

霧の中から、横津岳の頂上に建つ国土交通省東京航空局運用の航空路監視レーダーが現れてきた。

横津岳頂上の建物前で、函館市内の高校生物部の先生や生徒、OBの方によるアサギマダラ移動状況調査のためのマーキング作業が行われていて、その様子を見せてもらうことができた。
この蝶は非常に長い距離を渡ることで知られ、マークをつけて放された蝶がどこかで再捕獲されることによって、移動の距離や所要日数を知ることができるという。

翅の裏側(蝶が花などに止まっているときに読みやすい)に、マーキングした地名や番号、人名が油性フェルトペンで記されて放たれる。メンバーのザックにぶら下がった、マーキング済みの個体。

頂上の一角にあるケルンと山名標識を入れて、集合写真を撮る(よく見るとひとり足りなかった)。晴れていれば、背景に北海道駒ヶ岳(1131m)の秀麗な姿が見えるのだが…。

ケルンの近くにあったコケモモ(苔桃)の実。

頂上の西側斜面に広がるトウゲブキ(峠蕗)の群落。

このあと向かう烏帽子岳と逆に、昨年に建設された新しい施設を確かめるため、有志で道路を北西に少し歩く。手前に見えるのがその施設で、奥は東京航空局のRCAG対空受信所。

これも東京航空局が運用する施設で、航空管制用SSR(二次監視レーダー)らしい。

烏帽子岳に向かう道路から少し入った横津神社前に広がる雲井沼。横津岳の山頂直下にも関わらず、枯れることなく水を湛えている。

雲井沼に咲く美しいスイレン(睡蓮)。うっとり眺めていると眠くなってくる。

函館地方気象台が運用する横津岳気象レーダーに到着。一息入れて、この左から山道に入っていく。

幅広く刈り払われた山道をゆっくりと歩く。時折り霧が晴れて、前方に目指す烏帽子岳が見えた。

横津岳~烏帽子岳間の最低コル(C1040)には、小さな沼を持つ第2湿原が広がる。

山道で見かけた花々。[左上]ハイオトギリ(這弟切)、[右上]ネジバナ(捩花)、[左下]チシマフウロ(千島風露)、[右下]ハナニガナ(花苦菜)は食したことはないが名前の通り驚くほど苦いという。

11時58分、広い烏帽子岳の頂上に到着。一面にトウゲブキの群落が広がっていた。ここでランチタイムとする。

トウゲブキの花の蜜を求めて、たくさんの昆虫が集まっていた。代表は、やはりアサギマダラ。

同じくアサギマダラを4枚。

マルハナバチの仲間とキアゲハ。

烏帽子岳から第2湿原方面を眺める。

霧が流れる烏帽子岳の頂上で、山名標識を入れて集合写真に納まる。

12時30分、烏帽子岳を後にして往路を戻る。第1湿原に来ると霧が晴れて、横津岳頂上周辺にある5つの通信施設群が見えてきた。
左から陸上自衛隊の横津岳無線中継所、東京航空局のRCAG対空送信所、気象庁の横津岳気象レーダー、東京航空局の航空路監視レーダー、北海道開発局の横津無線中継所。

第1湿原を回り込む。この湿原は乾燥化が進んでいる。

往路で見かけた植生。[左上]ミネザクラ(嶺桜、峰桜)かチシマザクラ(千島桜)の実、[右上]タカネトウウチソウ(高嶺唐打草)は特徴的な葉を持つ、[左下]モウセンゴケ(毛氈苔)、[右下]エゾオヤマリンドウ(蝦夷御山竜胆)は8月も下旬になると賑やかになる。

横津岳登山道路から少し入ったところに立つ石仏(弘法大師像)。錫杖(しゃくじょう)を突き、白色と金色に採色されている。

14時35分、上部ゲート前駐車場に到着。人数確認と挨拶を済ませ、その場で解散して各車慎重に麓へ下がった。
横津岳から烏帽子岳まで、トウゲブキなど多くの花を観察することができた。山は雲の中だったが、時には近場の展望も得られた。また、時折り雨粒が落ちてきたが短時間で止み、本降りにならずに済んだ。総じて、まずまずの天気であった。
横津岳の頂上でアサギマダラ移動状況調査のためのマーキングの様子を見せてもらうことができ、烏帽子岳でも何匹も観察できた。「チョー・ラッキー」ということで…。