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山楽人2
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2025年03月24日

3月23日(日) 濁川毛無山(周回)

 森町濁川地区「濁川カルデラ」外輪の南東端に位置する毛無山(684.5m、通称:濁川毛無山)を、2年ぶりに訪れた。前回に続いて、登りは北東峰(標高点678m)、下りは南西峰(682m)を経由する周回コースをとった。参加は15名。

 濁川ダム右岸の林道除雪終点に車4台を縦列に停めた。8時48分に出発し、奥に続く広い林道を進む。雪は締まっていて歩きやすい。
ダム脇の林道除雪終点を出発

 林道の脇に、良く見かけるハンノキ(榛の木)の雄花序。北海道では、3月中旬ころから花粉を飛ばし始める。
ハンノキ

 林道に点々と続いていた、かなり大きな動物の足跡。羆のものではないが、お主の名は?
何の足跡だろうか

 林道を300mほど進んだところで、左に分岐する桂川林道に入る。入り口には雪融けによる水溜りができていた。
林道桂川線に入る

 桂川林道を20分ほど登ったヘアピンカーブの手前(C250m付近)から、右に下がる枝道に入る(入り口左右の木に目立つピンクテープあり)。小さい沢を渡って、苦戦の末に反対側の斜面に上がると旧い作業道があり、これを辿っていく。
 カルデラと外輪山の形成過程の結果、尾根の下部は凹地やコブが混在した複雑な地形になっているので、コース選択が難しい。
 C330m付近で作業道を外れ、傾斜が急になる尾根斜面に取り付く。
C330付近の旧い作業道を辿る

 C400m付近の尾根上の肩で見かけた、大木に絡むイワガラミ(岩絡み)のドライフラワー(白いガク片が1枚)。
 この付近の針葉樹林帯を登っているとき、エゾリスが樹幹を登ったり下りたり、隣の木に跳び移ったりして遊んでいる姿を見かけた。
尾根の肩にあったイワガラミのドライフラワー

 尾根の傾斜が少し緩んだ、途中の小さな平地で休憩。出発した時よりも青空が広がってきたが、北西風はやや強い。
C475付近で休憩

 尾根の右手、西北西方向に20kmほど離れた八雲町の砂蘭部岳と横山が見渡せた。
砂蘭部岳と横山

 C520m付近からは北の内浦湾方向の展望が良い。中央やや右にある386.4m峰(点名:蛯谷山)の先にニセコ連峰と羊蹄山が位置するが、この日は残念ながら遠望が利かなかった。2023年山行時の写真で代行。
(C520付近から内浦湾越しの山々
羊蹄山とニセコアンヌプリ

 北東峰の頂上が近づいてきた。細いダケカンバの幹に、可愛らしいサルノコシカケ。
サルノコシカケ

 灌木の隙間から、北東峰の丸い頂部が見えてきた。
C650付近を登る

 北東峰に上がると、一気に展望が開ける。南西方向には、目指す濁川毛無山(二等三角点、点名:毛無山)の丸い頂部と、その背後に荒々しい狗神岳(森町・八雲町境、899.5m、三等三角点、点名も同じ)、左に888.9m峰(森町、三等三角点、点名:桂川前山)。濁川毛無山に向かって左下から、このあと辿っていく雪稜が伸びている。
標高点678峰から本峰と狗神岳

 南南東方向には、奥深い819.2m峰(森町、二等三角点、点名:姫川)、中二股山(北斗市・森町境、三等三角点、点名:中二股川)などの山並みが望めた。
標高点678峰から中二股山方面

 北東峰からマイクロ波反射板を経て、濁川毛無山に向かう尾根を標高差78mほど下がる。
C600コルに向かって下がる

 コルからは、標高差85mほどの登りになる。右から吹く北西風がやや冷たい。
C600コルから登りにかかる

 明るく気持ちの良い尾根を登っていく。
本峰手前の尾根

 12時5分、大きなマイクロ波反射板が2基設置された頂上に到着。2年前に設置した山名標識を囲んで、全体集合写真を撮る。
 撮影者後方の雪庇の陰で、風を避けてランチタイム。
頂上で全体集合

 東方向に北海道駒ヶ岳がすっきりと望めた。剣ヶ峯(右、1131m)と砂原岳(左、1112.2m)の双耳峰。
頂上から北海道駒ヶ岳

 南南東方向には、北東峰からも眺められた中二股山と、頂部をチョコンと覗かせる785m峰(北斗市と森町の市町界で、三九郎岳(802m)から中二股山に繋がる主稜線の途中にある三角形ピーク)。
頂上から中二股山方面

 12時50分、頂上をあとにして南西峰(南西尾根の肩、682m)に向かう。
南西峰に向かう

 南西尾根の末端を29m登って、南西峰に到着。
南西峰の登り

 南西峰からは、南に向かって急な下りになる。
南西峰から急下降

 転がって出来たばかりの雪まくり。春山の風物詩。
出来立ての雪まくり

 南西峰から30分ほどで谷近くに下りた。傾斜が緩くなって、C510m付近から作業道跡を辿る。
旧い作業道を下がる

 作業道の日陰に、雪まくりが作り上げた「イルカ」か「アヒル」のような雪像があった。付着した落ち葉の断片が目のようで、リアルに可愛らしい。
雪まくりが作ったイルカかアヒル

 作業道を下がっていくと、道路面の所々に雪融けの水を集めた池が現れ、春到来を感じさせる。
雪融けの水溜り

 水溜まりに出たフキノトウ。
雪融けの水溜りにフキノトウ

 C265m付近の沢を渡った陽だまりで休憩。ここまで下りてくると、北西風も弱くなり暖かい。
C265付近で休憩

 濁川ダム湖付近まで下がり、ダム湖からさらに奥に向かう林道との合流点に至る。下りてきた作業道に車止めゲートが設置されていたが、まだ半分は雪の中であった。
C215付近の作業道車止め

 14時50分、車列に到着して無事に下山を終了。ダム湖の奥に、狗神岳の怪峰が聳えていた。
ゴールから狗神岳

 挨拶を済ませて現地で解散し、車2台は函館に直帰、後の2台は濁川の温泉に立ち寄った。
 今回は二年前の周回山行時よりも残雪が多く、行動中にスノーシューやわかんを外すことはなかった。
 桂川林道を離れて北東峰に登り始めるコースの下部は、カルデラと外輪山の形成過程の結果、複雑な地形になっており、新旧の林道・作業道が交錯しているため、コースの選定が課題として残った。今後、より分かりやすく安全なコースを検討していきたいところである。



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