2023年03月06日
3月5日(日) 森川山&南峰(周回)
最近の会山行は、二つの山を周回で繋ぐなど、山行形態をアレンジして楽しんでいる。今月最初の山行は、3年ぶりに森川山(608.8m)と南峰(653m)を周回した。森川山は「会創立25周年記念」の第30座目で、参加は24名。
登山口に向かう途中、尾白内川に架かる橋の上から森川山(右)と南峰(左)を望む。右の尾根から森川山、吊り尾根を辿って南峰に至り、左の尾根を下がる、反時計回りとした。
森川山の名前は、この山の西から北の裾を周り、森町役場の近くを通って噴火湾に注ぐ「森川」の源流部にある山として名付けられたようだ。

「北海道道南畜産事業協同組合」の建物入口前に、通行の邪魔にならないよう車を置かせてもらい、快晴の空の下を7時45分に出発する。

風はやや冷たいが、沢の様子からも「春近し」を感じる。

森川山東尾根の末端(C180付近)から取り付く。固く締まった広い雪原を、気持ち良く登っていく。

正面に森川山を仰ぎながら進む。

植林された斜面を、尾根筋に上がる。

植林地の上から、樹林に覆われた明瞭な尾根となる。

「私の持ち主は何処へ?…ポールとグローブだけでは動けません」とお手上げのポーズ。

C370で送電線巡視路を横切って、さらに尾根道を辿る。視界が開けた場所から後方を振り返ると、駒ヶ岳(1131m)が美しい。

右手(南東方向)には、たおやかな横津岳(1167m)。

左手(北北東方向)には、内浦湾越しに頭を高く持ち上げた羊蹄山(1898m)。

C500付近の細尾根を、ゆっくりと登る。西風が冷たく感じられるが、気分はこの日の空のような春の明るさ。

辿る尾根の左手にある沢の上部から、雪庇の崩落が始まっていた。

斜面を転がったユキマクリ。[左]ミニサイズ(直径10cmほど)、[右]ジャイアントサイズ(除雪車のタイヤより大きい)。

森川山の頂上に近いC570付近から、雪庇が崩れ落ちる谷越しに駒ヶ岳を望む。山体の西側は、荒々しい様相を見せる。剣ヶ峯と砂原岳を繋ぐ吊り尾根「駒ノ背」から左下に落ちる深い切れ込みは、有史以前の強い水蒸気爆発で開いた「押出沢爆裂火口」。

つい先ほど歩いたような、エゾユキウサギの足跡。指の跡が判る。

そのほか、雪面や樹木に見られた自然の息吹をまとめてみた。[左上]オオカメノキ(ムシカリ)の冬芽は今年の干支のよう、[右上]雪の段差を飛び降りたのは誰?、[左下]ネズミの仲間の足跡…尻尾の細い跡も、[右下]ノリウツギのドライフラワー。

10時10分、森川山の頂上に到着。恒例の全体集合写真を撮る。

頂上で10分弱休憩し、灌木越しに西方向の森町・八雲町境に連なる山並を眺めた。森川の源流部と鳥崎川の上流部を挟んだ無名峰が多い山座の同定は難しい。
下に掲載した写真の左手前にある山が、森川山頂上から西南西に約1.2km離れた582.6峰(三等三角点、点名・森山)と特定できたので、背後にある頂部がやや平らな山は774.7峰(二等三角点、点名・鳥崎岳)、左の三角は森町・八雲町・厚沢部町の三町境に位置する753峰(標高点なし)と推定した。
![774.7峰[点名・鳥崎岳] 774.7峰[点名・鳥崎岳]](//img01.naturum.ne.jp/usr/s/a/n/sangakuclub2/20230305-S%E6%A3%AE%E5%B7%9D%E5%B1%B1k%E5%8D%97%E5%B3%B0%E5%91%A8%E5%9B%9Ek774.7%E5%B3%B0%5B%E7%82%B9%E5%90%8D%E3%83%BB%E9%B3%A5%E5%B4%8E%E5%B2%B3%5Dk.jpg)
10時18分、南峰に向けて出発する。この吊り尾根は、進行方向左手(東側)に雪庇が発達するので、近づかないように注意して進む。

南峰から北に伸びる小尾根に向かって登る。尾根に上がると、眼前にまたも駒ヶ岳が…(この写真は省略)。

11時5分、こんもりとした南峰の頂上に到着。

ここでも全体集合写真を撮る。皆さん、今日の空のように晴れやかな笑顔。

西風が冷たく感じられるので、少しの滞在で北東尾根を下がり、広い尾根の樹林内でランチタイムとする(25分間)。

青空に枝を伸ばすブナの大木。

北東尾根を下る。

C385コルを通る送電線の下から南方を望む。前週に登った、通称・五九郎岳(左、660m)と通称・四九郎岳(中央、759.0m)。右端には三九郎岳の北峰(817m)と本峰(802m)。

このあと、C340付近から北の谷に向かって、ややワイルドでちょっと近道のコースをとった。二本の小沢を越え、登りの最初に上がった丘で駒ヶ岳を背景に、横一列に並んで集合写真に収まる。


北東方向、噴火湾越しに鷲別岳(911.1m)などの山並と、室蘭市・白鳥大橋の橋脚が見えた。

北にうっすらと羊蹄山(1898m)も。

最後も駒ヶ岳を眺めながら13時42分、駐車場所に戻って下山を終了した。

新型コロナウイルス感染症は収束に向かいつつあるものの、戦争や災害、政治経済などで無力感や閉塞感が漂う社会情勢である。穏やかな早春の陽光が降り注ぐ自然の中に浸って、明日への活力を養うことができた、幸せな一日であった。
登山口に向かう途中、尾白内川に架かる橋の上から森川山(右)と南峰(左)を望む。右の尾根から森川山、吊り尾根を辿って南峰に至り、左の尾根を下がる、反時計回りとした。
森川山の名前は、この山の西から北の裾を周り、森町役場の近くを通って噴火湾に注ぐ「森川」の源流部にある山として名付けられたようだ。

「北海道道南畜産事業協同組合」の建物入口前に、通行の邪魔にならないよう車を置かせてもらい、快晴の空の下を7時45分に出発する。

風はやや冷たいが、沢の様子からも「春近し」を感じる。

森川山東尾根の末端(C180付近)から取り付く。固く締まった広い雪原を、気持ち良く登っていく。

正面に森川山を仰ぎながら進む。

植林された斜面を、尾根筋に上がる。

植林地の上から、樹林に覆われた明瞭な尾根となる。

「私の持ち主は何処へ?…ポールとグローブだけでは動けません」とお手上げのポーズ。

C370で送電線巡視路を横切って、さらに尾根道を辿る。視界が開けた場所から後方を振り返ると、駒ヶ岳(1131m)が美しい。

右手(南東方向)には、たおやかな横津岳(1167m)。

左手(北北東方向)には、内浦湾越しに頭を高く持ち上げた羊蹄山(1898m)。

C500付近の細尾根を、ゆっくりと登る。西風が冷たく感じられるが、気分はこの日の空のような春の明るさ。

辿る尾根の左手にある沢の上部から、雪庇の崩落が始まっていた。

斜面を転がったユキマクリ。[左]ミニサイズ(直径10cmほど)、[右]ジャイアントサイズ(除雪車のタイヤより大きい)。

森川山の頂上に近いC570付近から、雪庇が崩れ落ちる谷越しに駒ヶ岳を望む。山体の西側は、荒々しい様相を見せる。剣ヶ峯と砂原岳を繋ぐ吊り尾根「駒ノ背」から左下に落ちる深い切れ込みは、有史以前の強い水蒸気爆発で開いた「押出沢爆裂火口」。

つい先ほど歩いたような、エゾユキウサギの足跡。指の跡が判る。

そのほか、雪面や樹木に見られた自然の息吹をまとめてみた。[左上]オオカメノキ(ムシカリ)の冬芽は今年の干支のよう、[右上]雪の段差を飛び降りたのは誰?、[左下]ネズミの仲間の足跡…尻尾の細い跡も、[右下]ノリウツギのドライフラワー。

10時10分、森川山の頂上に到着。恒例の全体集合写真を撮る。

頂上で10分弱休憩し、灌木越しに西方向の森町・八雲町境に連なる山並を眺めた。森川の源流部と鳥崎川の上流部を挟んだ無名峰が多い山座の同定は難しい。
下に掲載した写真の左手前にある山が、森川山頂上から西南西に約1.2km離れた582.6峰(三等三角点、点名・森山)と特定できたので、背後にある頂部がやや平らな山は774.7峰(二等三角点、点名・鳥崎岳)、左の三角は森町・八雲町・厚沢部町の三町境に位置する753峰(標高点なし)と推定した。
![774.7峰[点名・鳥崎岳] 774.7峰[点名・鳥崎岳]](http://img01.naturum.ne.jp/usr/s/a/n/sangakuclub2/20230305-S%E6%A3%AE%E5%B7%9D%E5%B1%B1k%E5%8D%97%E5%B3%B0%E5%91%A8%E5%9B%9Ek774.7%E5%B3%B0%5B%E7%82%B9%E5%90%8D%E3%83%BB%E9%B3%A5%E5%B4%8E%E5%B2%B3%5Dk.jpg)
10時18分、南峰に向けて出発する。この吊り尾根は、進行方向左手(東側)に雪庇が発達するので、近づかないように注意して進む。

南峰から北に伸びる小尾根に向かって登る。尾根に上がると、眼前にまたも駒ヶ岳が…(この写真は省略)。

11時5分、こんもりとした南峰の頂上に到着。

ここでも全体集合写真を撮る。皆さん、今日の空のように晴れやかな笑顔。

西風が冷たく感じられるので、少しの滞在で北東尾根を下がり、広い尾根の樹林内でランチタイムとする(25分間)。

青空に枝を伸ばすブナの大木。

北東尾根を下る。

C385コルを通る送電線の下から南方を望む。前週に登った、通称・五九郎岳(左、660m)と通称・四九郎岳(中央、759.0m)。右端には三九郎岳の北峰(817m)と本峰(802m)。

このあと、C340付近から北の谷に向かって、ややワイルドでちょっと近道のコースをとった。二本の小沢を越え、登りの最初に上がった丘で駒ヶ岳を背景に、横一列に並んで集合写真に収まる。


北東方向、噴火湾越しに鷲別岳(911.1m)などの山並と、室蘭市・白鳥大橋の橋脚が見えた。

北にうっすらと羊蹄山(1898m)も。

最後も駒ヶ岳を眺めながら13時42分、駐車場所に戻って下山を終了した。

新型コロナウイルス感染症は収束に向かいつつあるものの、戦争や災害、政治経済などで無力感や閉塞感が漂う社会情勢である。穏やかな早春の陽光が降り注ぐ自然の中に浸って、明日への活力を養うことができた、幸せな一日であった。