2024年09月10日
9月8日(日) 黒松内岳
九月に入っても日中の最高気温が函館で28~29℃と暑い日が続いていたが、昨年より一週間ほど早く黒松内岳(740.0m)を訪れて、秋の風情を楽しんだ。付近は、日本のブナ分布の北限として知られる。参加は15名。
朝から快晴で、日なたでは暑さを感じる中、8時28分に出発。この日は珍しく、登山口に停めたのは我々の車だけであった(途中で後発の単独行と二人組の登山者に行き交っただけ)。

出だしからトドマツ植林地の急な登りが続く。

樹相は次第にブナに代わる。登山道は手入れがされて歩きやすいが、数か所で太い倒木を回り込んだり乗り越えたり。

東隣りのブナ林尾根は、まだ緑一色。

五合目下の急な登りで見かけた植生。[左]小さな葉っぱの虫食い穴から地面に落ちた笹葉に映る面白い影、[左下]ツルシキミ(蔓樒)の実、[右下]白いキノコ。

五合目からは傾斜が緩くなり、左右を見る余裕が出る。見かけた植生は、[左上]たぶんジイソブ(爺蕎)、本名ツルニンジン(蔓人参)の花、[右上]同じくジイソブの実、[左下]キンミズヒキ(金水引)の花、[右下]ミヤマアキノキリンソウ(深山秋の麒麟草)の別名はコガネギク(黄金菊)。

六合目(標高点528の少し手前)で、北東から東方向の展望が開ける。北東にはニセコ連峰と羊蹄山(山の説明は頂上からの写真で…)。

同じく、東方向には左端に昆布岳の頭と、右に写万部山方面(これの説明も頂上の写真で…)。

六合目から七合目まで、気持ち良いブナ林の尾根歩き。

七合目の先が森林限界になっており、頂上と雪崩斜面の全容が見渡せる。

急登の手前で見かけた木の実。[左上]たくさん付いていたブナ(橅)の実、[右上]ナナカマド(七竈)の実は羆も食べるようだ(9月1日、狩場山)、[左下]珍しい瑠璃色(コバルトブルー)の実はサワフタギ(沢蓋木)か、[右下]この時期定番のオオカメノキ(大亀の木)の実。

標高差190m余りの急な登りに取り付く。

急登の手前と途中で見かけた植生。[左上]ヤマハハコ(山母子)の花、[右上]エゾオヤマリンドウ(蝦夷御山竜胆)の花、[左下]トウゲブキ(峠蕗)の名残り花、[右下]実を付け始めたサラシナショウマ(晒菜升麻)か。

紅葉を2枚。[左]ハナヒリノキ(嚏の木)、[右]チシマフウロ(千島風露)。

コブ状の地形を登る。

南方向に見えた近くの山々。左は二股山(568.7m、二等三角点、点名:二股岳)、右は美利河丸山(674.1m、三等三角点、点名:丸山)。

二股山の向こう、遠くに北海道駒ヶ岳の双耳峰も。左は砂原岳(1112.2m、一等三角点、点名は同じ)、右は剣ヶ峯(1131m)。

北方向には、寿都湾岸に建つ風車群と、積丹半島の山々。

頂上直下で一株だけ見かけたエゾノホソバトリカブト(蝦夷細葉鳥兜)の花と蕾。

10時57分、頂上に到着。西北西に大平山(1190.7m、一等三角点、点名も同じ)がすっきりと望めた。左端のコブは標高点1109の第二ピークで、この下の石灰岩地帯に希少な植物が残されている。

南西には長万部岳(972.6m、三等三角点、点名も同じ)。頂上の周りには、たくさんのトンボ(アキアカネか)が飛び回っていた。

頂上から東方向に、辿ってきた尾根と写万部山方面を眺める。幌扶斯山は「ほろぷすさん」と読む。この山の手前の谷中に、秘境駅として名高い「小幌駅」がある。写万部山の右奥、うっすらと見えるのは鷲別岳(911.1m、別名:室蘭岳)。

頂上から北西には、ニセコ連峰から羊蹄山、昆布岳に至る大展望。羊蹄山は、日本百名山などに「後方羊蹄山(しりべしやま)」として選定されている。

羊蹄山(左)と昆布岳(右)をズームアップで。昆布岳のすぐ左奥に頭を出すのは尻別岳(1107.3m)。

ニセコ連峰もズームアップでどうぞ。手前は黒松内町中心部の市街地。

頂上で、恒例の集合写真を撮る。

一時間ほどゆっくり休んで、12時ちょうどに下山を開始。フィックスロープの通過は一人ずつとして、急斜面を慎重に下る。下部の急斜面では、月例会で学習しているセフルレスキュー・コンパニオンレスキューの一環として、プルージックノットによる自己確保下降を3名が実体験してみた。

13時52分、駐車場に到着して、無事に下山を終えた。車止めゲートから奥に続く林道を辿って、重滝(しげたき)の見物に出かけた。こちらはゲートからすぐの「ぶな滝沢」を落ちる小滝。

15分ほどで重滝に到着。岩盤を滑り落ちる水の流れが美しい。

重滝を背景に、集合写真をもう1枚。

林道を辿る途中で見られた花。[左]クロバナノヒキオコシ(黒花引起し)は黒紫色の小さな花、[右上]ミゾソバ(溝蕎麦)は葉の形から別名「牛の額(うしのひたい)」、[右下]キツリフネ(黄釣舟)。

重滝から戻って挨拶を済ませ、林道を道道9号線(寿都黒松内線)のトイレがある路側帯駐車場に出て再度集合。各車の無事到着を確認して、解散した。
この日、山近くのアメダス黒松内では最高気温30.4℃を観測した。日なたでは暑さに閉口したが、たまに吹く微かな涼風が心地よかった。半径70~80kmまでの雄大な展望が得られ、山座同定も楽しめた、大満足の山行であった。
朝から快晴で、日なたでは暑さを感じる中、8時28分に出発。この日は珍しく、登山口に停めたのは我々の車だけであった(途中で後発の単独行と二人組の登山者に行き交っただけ)。

出だしからトドマツ植林地の急な登りが続く。

樹相は次第にブナに代わる。登山道は手入れがされて歩きやすいが、数か所で太い倒木を回り込んだり乗り越えたり。

東隣りのブナ林尾根は、まだ緑一色。

五合目下の急な登りで見かけた植生。[左]小さな葉っぱの虫食い穴から地面に落ちた笹葉に映る面白い影、[左下]ツルシキミ(蔓樒)の実、[右下]白いキノコ。

五合目からは傾斜が緩くなり、左右を見る余裕が出る。見かけた植生は、[左上]たぶんジイソブ(爺蕎)、本名ツルニンジン(蔓人参)の花、[右上]同じくジイソブの実、[左下]キンミズヒキ(金水引)の花、[右下]ミヤマアキノキリンソウ(深山秋の麒麟草)の別名はコガネギク(黄金菊)。

六合目(標高点528の少し手前)で、北東から東方向の展望が開ける。北東にはニセコ連峰と羊蹄山(山の説明は頂上からの写真で…)。

同じく、東方向には左端に昆布岳の頭と、右に写万部山方面(これの説明も頂上の写真で…)。

六合目から七合目まで、気持ち良いブナ林の尾根歩き。

七合目の先が森林限界になっており、頂上と雪崩斜面の全容が見渡せる。

急登の手前で見かけた木の実。[左上]たくさん付いていたブナ(橅)の実、[右上]ナナカマド(七竈)の実は羆も食べるようだ(9月1日、狩場山)、[左下]珍しい瑠璃色(コバルトブルー)の実はサワフタギ(沢蓋木)か、[右下]この時期定番のオオカメノキ(大亀の木)の実。

標高差190m余りの急な登りに取り付く。

急登の手前と途中で見かけた植生。[左上]ヤマハハコ(山母子)の花、[右上]エゾオヤマリンドウ(蝦夷御山竜胆)の花、[左下]トウゲブキ(峠蕗)の名残り花、[右下]実を付け始めたサラシナショウマ(晒菜升麻)か。

紅葉を2枚。[左]ハナヒリノキ(嚏の木)、[右]チシマフウロ(千島風露)。

コブ状の地形を登る。

南方向に見えた近くの山々。左は二股山(568.7m、二等三角点、点名:二股岳)、右は美利河丸山(674.1m、三等三角点、点名:丸山)。

二股山の向こう、遠くに北海道駒ヶ岳の双耳峰も。左は砂原岳(1112.2m、一等三角点、点名は同じ)、右は剣ヶ峯(1131m)。

北方向には、寿都湾岸に建つ風車群と、積丹半島の山々。

頂上直下で一株だけ見かけたエゾノホソバトリカブト(蝦夷細葉鳥兜)の花と蕾。

10時57分、頂上に到着。西北西に大平山(1190.7m、一等三角点、点名も同じ)がすっきりと望めた。左端のコブは標高点1109の第二ピークで、この下の石灰岩地帯に希少な植物が残されている。

南西には長万部岳(972.6m、三等三角点、点名も同じ)。頂上の周りには、たくさんのトンボ(アキアカネか)が飛び回っていた。

頂上から東方向に、辿ってきた尾根と写万部山方面を眺める。幌扶斯山は「ほろぷすさん」と読む。この山の手前の谷中に、秘境駅として名高い「小幌駅」がある。写万部山の右奥、うっすらと見えるのは鷲別岳(911.1m、別名:室蘭岳)。

頂上から北西には、ニセコ連峰から羊蹄山、昆布岳に至る大展望。羊蹄山は、日本百名山などに「後方羊蹄山(しりべしやま)」として選定されている。

羊蹄山(左)と昆布岳(右)をズームアップで。昆布岳のすぐ左奥に頭を出すのは尻別岳(1107.3m)。

ニセコ連峰もズームアップでどうぞ。手前は黒松内町中心部の市街地。

頂上で、恒例の集合写真を撮る。

一時間ほどゆっくり休んで、12時ちょうどに下山を開始。フィックスロープの通過は一人ずつとして、急斜面を慎重に下る。下部の急斜面では、月例会で学習しているセフルレスキュー・コンパニオンレスキューの一環として、プルージックノットによる自己確保下降を3名が実体験してみた。

13時52分、駐車場に到着して、無事に下山を終えた。車止めゲートから奥に続く林道を辿って、重滝(しげたき)の見物に出かけた。こちらはゲートからすぐの「ぶな滝沢」を落ちる小滝。

15分ほどで重滝に到着。岩盤を滑り落ちる水の流れが美しい。

重滝を背景に、集合写真をもう1枚。

林道を辿る途中で見られた花。[左]クロバナノヒキオコシ(黒花引起し)は黒紫色の小さな花、[右上]ミゾソバ(溝蕎麦)は葉の形から別名「牛の額(うしのひたい)」、[右下]キツリフネ(黄釣舟)。

重滝から戻って挨拶を済ませ、林道を道道9号線(寿都黒松内線)のトイレがある路側帯駐車場に出て再度集合。各車の無事到着を確認して、解散した。
この日、山近くのアメダス黒松内では最高気温30.4℃を観測した。日なたでは暑さに閉口したが、たまに吹く微かな涼風が心地よかった。半径70~80kmまでの雄大な展望が得られ、山座同定も楽しめた、大満足の山行であった。