2024年07月12日
7月11日(木) 汐首山(山野草探訪)
汐首山(290.6m)は2020年以降、7月の自然部企画として定着している。今年も山野草を訪ねて、ゆっくり歩いた。参加は15名。
函館市汐首町の林道車止めゲート前を、9時30分に出発。ゲートには、ウマとクマの注意看板。

ゲートを過ぎると、林道脇に山野草が次々と現れた。[左上]エゾカワラマツバ(蝦夷河原松葉)の和名は、河原に多く葉が松葉に似ていることに由来、[右上]ハイオトギリ(這弟切)、[左下]カセンソウ(歌仙草)の和名は手元の野草図鑑で、同じキク科のオグルマ(御車、小車、緒車)がいにしえの貴人が乗った牛車(ぎっしゃ)の車輪を意味するので、よく似たこの花は牛車に乗る歌仙(すぐれた歌人)を連想させるとある、[右下]クサフジ(草藤)。

[左上]オカトラノオ(丘虎の尾)は5弁の小さな花の集合体、[右上]ハマフウロ(浜風露)、[左下]クルマユリ(車百合)の葉は車輪のように付く、[右下]トリアシショウマ(鳥足升麻)の和名は芽だしの姿が鳥の足のようにみえることに由来するという。

樹木の実。[左上]ミツバウツギ(三葉空木)の実は先が尖った軍配のような形、[右上]ヤマブドウ(山葡萄)の実、[左下]サルトリイバラ(猿捕茨)の名の由来は、蔓に鋭い刺があって猿でも引っかかって逃げられなくなることから、[右下]サルナシ(猿梨、別名:コクワ)の実。

林道の傾斜は緩いので、周りを見回しながらゆっくりと歩を進める。

[左]カノコガ(鹿子蛾)は毒性がない、[右]ナミヒョウモン(並豹紋)。

[左上]エゾカワラナデシコ(蝦夷河原撫子)、[右上]キリンソウ(麒麟草)は黄輪草と表記されることもあるという、[左下]ウツボグサ(靫草)は毛ばだった花穂を靫(うつぼ:武士が矢を携帯した用具)に見立てた、別名のカコソウ(夏枯草)は夏に花穂が褐色に変わり、枯れたようになるため、[右下]オオノアザミ(大野薊)。

C213の三叉路を過ぎ、標高点284ピークの西側山腹を回り込む。

ヒョウタンボク(瓢箪木)の実は二つがくっついた「ひょうたん」のような形で赤く熟すと美しいが、毒があるため食用は不可。花の時期に白色と黄色の花が同時に見られることから、キンギンボク(金銀木)とも呼ばれる。
![ヒョウタンボク[キンギンボク]の実 ヒョウタンボク[キンギンボク]の実](//img01.naturum.ne.jp/usr/s/a/n/sangakuclub2/20240711-I%E6%B1%90%E9%A6%96%E5%B1%B1k%E3%83%92%E3%83%A7%E3%82%A6%E3%82%BF%E3%83%B3%E3%83%9C%E3%82%AF%5B%E3%82%AD%E3%83%B3%E3%82%AE%E3%83%B3%E3%83%9C%E3%82%AF%5D%E3%81%AE%E5%AE%9Fk.jpg)
向かう汐首山は、日本海から流れ込む霧の中。

センチコガネ(雪隠金亀子、雪隠黄金虫)の金属光沢がある翅を含む動物のフン(キタキツネか)。センチコガネはフンコロガシと同じく、動物のフンなどに集まる糞虫(ふんちゅう)の一種。

汐首山の東側は、一面にヨーロッパ原産帰化植物のフランスギク(仏蘭西菊)が繁茂している。山野では、競合により在来植物を駆逐する等の問題を起こしている。

10時45分、汐首山の頂上に到着。三等三角点(点名も汐首山)の標石を囲み、中央に野生馬の群れを入れて、恒例の集合写真を撮る。

馬は20頭ほどが二つのグループに分かれて群れていた。


10分ほどの滞在で頂上を後にして、林道を戻る。霧が消散して、亀田半島の山並みの展望が開けてきた。

北の方向に三枚岳や蛾眉野毛無山が望めた。丸山龍神宮の山は、標高こそ低いが鋭角の三角形が目立ち、林業関係者のみならず、津軽海峡で操業する漁師さんからも崇められてきた。

林道と三叉路周辺草地で見られた植生。[左上]ホソバノキソチドリ(細葉木曽千鳥)、[右上]キソチドリ(木曽千鳥)の葉は広いが、葉の細いものがホソバノキソチドリではなく両種は別種だそうだが、両種とも緑色の花をつけ、花の数、大きさや草姿もよく似ている、[左下]ヒロハノカワラサイコ(広葉河原柴胡)、[右下]ヒメヤブラン(姫薮蘭)はラン科でなくキジカクシ科。

ノリウツギ(糊空木)が花を咲かせてきた。サビタという別名は、かつて東北地方から北海道の開拓に移住した人たちによって名づけられたと言われる。ちなみに、アイヌ語名はラスパ・ニ。

霧がすっかり消散して、下海岸一帯から函館山まで見通せた。右の手前は釜谷漁港の防波堤。

津軽海峡を西に向かうLNG(液化天然ガス)タンカー。

C213の三叉路付近草地でランチタイムをとる。食後は、288ピーク(仲間内の通称「二百三高地」)の中腹で花観察を再開。
ノハナショウブ(野花菖蒲)は、花弁基部の黄色い三角形が特徴。


288ピークの中腹から、林道の三叉路を挟んで284ピークを望む。

ママコナ(飯子菜)。花の下唇に「ご飯粒」が二つあるので、「飯子菜」との説が一般的。

[左上]イチヤクソウ(一薬草)、[右上]オヤマボクチ(雄山火口)の葉、[左下]マツブサ(松房)の花、[右下]ナワシロイチゴ(苗代苺)の実。

林道の下部から288ピークを見上げる。

林道ゲートの手前から正面に、釜谷富士(左、243m)とスボリコ山(右、304m)。

13時10分、林道ゲートに到着。ランチタイムを除くと、3時間少々の探訪であった。人数確認と挨拶を済ませて、現地で解散した。
多くの山野草を目にすることができたが、ブログにすべて載せられなかったことをご容赦ください。
函館市汐首町の林道車止めゲート前を、9時30分に出発。ゲートには、ウマとクマの注意看板。

ゲートを過ぎると、林道脇に山野草が次々と現れた。[左上]エゾカワラマツバ(蝦夷河原松葉)の和名は、河原に多く葉が松葉に似ていることに由来、[右上]ハイオトギリ(這弟切)、[左下]カセンソウ(歌仙草)の和名は手元の野草図鑑で、同じキク科のオグルマ(御車、小車、緒車)がいにしえの貴人が乗った牛車(ぎっしゃ)の車輪を意味するので、よく似たこの花は牛車に乗る歌仙(すぐれた歌人)を連想させるとある、[右下]クサフジ(草藤)。

[左上]オカトラノオ(丘虎の尾)は5弁の小さな花の集合体、[右上]ハマフウロ(浜風露)、[左下]クルマユリ(車百合)の葉は車輪のように付く、[右下]トリアシショウマ(鳥足升麻)の和名は芽だしの姿が鳥の足のようにみえることに由来するという。

樹木の実。[左上]ミツバウツギ(三葉空木)の実は先が尖った軍配のような形、[右上]ヤマブドウ(山葡萄)の実、[左下]サルトリイバラ(猿捕茨)の名の由来は、蔓に鋭い刺があって猿でも引っかかって逃げられなくなることから、[右下]サルナシ(猿梨、別名:コクワ)の実。

林道の傾斜は緩いので、周りを見回しながらゆっくりと歩を進める。

[左]カノコガ(鹿子蛾)は毒性がない、[右]ナミヒョウモン(並豹紋)。

[左上]エゾカワラナデシコ(蝦夷河原撫子)、[右上]キリンソウ(麒麟草)は黄輪草と表記されることもあるという、[左下]ウツボグサ(靫草)は毛ばだった花穂を靫(うつぼ:武士が矢を携帯した用具)に見立てた、別名のカコソウ(夏枯草)は夏に花穂が褐色に変わり、枯れたようになるため、[右下]オオノアザミ(大野薊)。

C213の三叉路を過ぎ、標高点284ピークの西側山腹を回り込む。

ヒョウタンボク(瓢箪木)の実は二つがくっついた「ひょうたん」のような形で赤く熟すと美しいが、毒があるため食用は不可。花の時期に白色と黄色の花が同時に見られることから、キンギンボク(金銀木)とも呼ばれる。
![ヒョウタンボク[キンギンボク]の実 ヒョウタンボク[キンギンボク]の実](http://img01.naturum.ne.jp/usr/s/a/n/sangakuclub2/20240711-I%E6%B1%90%E9%A6%96%E5%B1%B1k%E3%83%92%E3%83%A7%E3%82%A6%E3%82%BF%E3%83%B3%E3%83%9C%E3%82%AF%5B%E3%82%AD%E3%83%B3%E3%82%AE%E3%83%B3%E3%83%9C%E3%82%AF%5D%E3%81%AE%E5%AE%9Fk.jpg)
向かう汐首山は、日本海から流れ込む霧の中。

センチコガネ(雪隠金亀子、雪隠黄金虫)の金属光沢がある翅を含む動物のフン(キタキツネか)。センチコガネはフンコロガシと同じく、動物のフンなどに集まる糞虫(ふんちゅう)の一種。

汐首山の東側は、一面にヨーロッパ原産帰化植物のフランスギク(仏蘭西菊)が繁茂している。山野では、競合により在来植物を駆逐する等の問題を起こしている。

10時45分、汐首山の頂上に到着。三等三角点(点名も汐首山)の標石を囲み、中央に野生馬の群れを入れて、恒例の集合写真を撮る。

馬は20頭ほどが二つのグループに分かれて群れていた。


10分ほどの滞在で頂上を後にして、林道を戻る。霧が消散して、亀田半島の山並みの展望が開けてきた。

北の方向に三枚岳や蛾眉野毛無山が望めた。丸山龍神宮の山は、標高こそ低いが鋭角の三角形が目立ち、林業関係者のみならず、津軽海峡で操業する漁師さんからも崇められてきた。

林道と三叉路周辺草地で見られた植生。[左上]ホソバノキソチドリ(細葉木曽千鳥)、[右上]キソチドリ(木曽千鳥)の葉は広いが、葉の細いものがホソバノキソチドリではなく両種は別種だそうだが、両種とも緑色の花をつけ、花の数、大きさや草姿もよく似ている、[左下]ヒロハノカワラサイコ(広葉河原柴胡)、[右下]ヒメヤブラン(姫薮蘭)はラン科でなくキジカクシ科。

ノリウツギ(糊空木)が花を咲かせてきた。サビタという別名は、かつて東北地方から北海道の開拓に移住した人たちによって名づけられたと言われる。ちなみに、アイヌ語名はラスパ・ニ。

霧がすっかり消散して、下海岸一帯から函館山まで見通せた。右の手前は釜谷漁港の防波堤。

津軽海峡を西に向かうLNG(液化天然ガス)タンカー。

C213の三叉路付近草地でランチタイムをとる。食後は、288ピーク(仲間内の通称「二百三高地」)の中腹で花観察を再開。
ノハナショウブ(野花菖蒲)は、花弁基部の黄色い三角形が特徴。


288ピークの中腹から、林道の三叉路を挟んで284ピークを望む。

ママコナ(飯子菜)。花の下唇に「ご飯粒」が二つあるので、「飯子菜」との説が一般的。

[左上]イチヤクソウ(一薬草)、[右上]オヤマボクチ(雄山火口)の葉、[左下]マツブサ(松房)の花、[右下]ナワシロイチゴ(苗代苺)の実。

林道の下部から288ピークを見上げる。

林道ゲートの手前から正面に、釜谷富士(左、243m)とスボリコ山(右、304m)。

13時10分、林道ゲートに到着。ランチタイムを除くと、3時間少々の探訪であった。人数確認と挨拶を済ませて、現地で解散した。
多くの山野草を目にすることができたが、ブログにすべて載せられなかったことをご容赦ください。