2024年01月15日
1月14日(日) 清水山&310峰(西尾根コース)
清水山(321.1m)と北西隣りの310峰は、函館市の豊原町・鉄山町境に位置する。低山ではあるが、亀田半島や下北半島の山並みと津軽海峡の展望に優れ、函館空港に着陸する航空機を間近で見ることができる。この時期の定番山行で、参加は18名。
豊原町の民家前(C85付近)に車を置かせてもらい、9時25分に出発。ほとんど積雪がない牧草地の縁を、西尾根の末端に向かって歩く。画面の右は最初に目指す清水山、中央に310峰が見える。

西尾根はC140くらいから急な登りになる。例年であればスノーシューやわかんを装着し、ジグを切って高度を上げるが、今回は背の低い笹の斜面を壷足で辿った。山に、こんなに雪が少なくて良いのだろうか。

雪の隙間から、ジンヨウイチヤクソウ(腎葉一薬草)の葉が覗いていた。

尾根の中間部はカシワ(柏・槲)が主体の広葉樹林。やはり積雪は少ない。

花芽を付けたナニワズ(難波津)が、何株も見られた。

傾斜が少し緩くなると、尾根上部は近い。

ウメガサソウ(梅笠草)の葉も見られた。

C280付近で西尾根の上部に出て展望が開け、休憩をとる。

南山麓に広がる畑や牧草地は、かなり地面が出ている。

尾根上部から北西方向を望む。手前に吊り尾根を隔てた310峰。横津岳や袴腰岳までは見えなかったが、雁皮山や三森山が指呼できた。

10時35分、清水山の頂上に到着。枯れすすきの原っぱになっていた。

清水山の頂上で、1回目の全体集合写真を撮る。

積雪が少ない頂上部で三角点標石を探したが、見つけられなかった。南東方向の汐首岬方面を望む。

10分ほどで頂上を後にして、函館市中心部と函館山を見ながら少し戻り、310峰へつながる吊り尾根に向かう。

函館市中心部をズームアップ。五稜郭タワーが見えている。右の津軽海峡フェリーの向こうに煙を上げるのは、北斗市のセメント工場。

函館山もズームでどうぞ。手前に函館空港の滑走路と湯川温泉のホテル群。函館山の右奥に当別丸山(482.3m)。

吊り尾根を辿って310峰に登る。

進行方向の右手(東北東方向)に、亀田半島の山並みが望めた。北海道で最初に設けられた一等三角点を持つ古部丸山(点名:古部岳)や毛無山(通称:蛾眉野毛無山、二等三角点、点名:糸川)、三枚岳(三等三角点、点名:同じ)など。

310峰の登りから、なだらかな山容の清水山を振り返る。

清水山の頂上から30分で310峰に到着。時折眩しいほどに陽が射し、風も弱くて暖かい。この日2回目の全体集合写真に納まる。
ちなみに清水山と310峰の山名標識は当クラブ会員Ymさんの作成で、2023年2月の自主山行時に設置した。

310峰の頂上から、恵山(617.6m、三等三角点、点名:同じ)をズームアップ。左端は海向山(569.4m、二等三角点、点名:同じ)。

同じく、美しい容姿の古部丸山(691.0m)。

頂上でランチタイム時に見つけた、カマキリの古い卵嚢(らんのう)。狭い範囲に4~5個が集まっていた。
ちなみに、カマキリは秋に卵嚢を草や木の枝に産みつける際、本能的にその冬の積雪量を予測して雪に埋もれない高さに産卵する(積雪量が多そうだと高いところに卵を産む)という説・言い伝えがあるが、真偽のほどは定かではないらしい。

ランチタイムを終え、11時50分に310峰を発つ。正面は津軽海峡。

もう一度、南山麓を俯瞰する。高層雲の厚みが増して陽が陰り、寒さを感じるようになってきた。

310峰を下っている時、脇の草むら(地面からの高さは10cmくらい)に野鳥の古い巣があった。形状外寸法は約15センチ、また産座(巣の中央で卵を温めて雛を育てる場所)の広さが約7cmくらいあるので、野鳥に詳しい知人の鑑定では「ホオジロの巣かも知れない」とのことであった。ありがとうございました。

以下も、下山時に見かけた「博物誌」。西尾根を下っていくと、いくつかの白い岩塊を見かけた。汐首岬周辺や大千軒岳知内川などでも目にしたが、道南で通称「きんから石」と呼ばれる火成岩か。
![白い岩塊[きんから石] 白い岩塊[きんから石]](//img01.naturum.ne.jp/usr/s/a/n/sangakuclub2/20240114-Z2%E6%B8%85%E6%B0%B4%E5%B1%B1k310%E5%B3%B0k%E7%99%BD%E3%81%84%E5%B2%A9%E5%A1%8A%5B%E3%81%8D%E3%82%93%E3%81%8B%E3%82%89%E7%9F%B3%5Dk.jpg)
マスクメロンの網目模様にも似た樹皮を持つハリギリ(針桐)の大木。高級タンスの材料として知られるキリ(桐)の仲間ではなく、タラノキ(惣木)などと同じウコギ科に属す。

牧草地まで降りてくると、湿った雪が降り出してきた。
牧草地の脇で、ガガイモ(蘿藦)の実に詰まっていた綿毛の種子が飛んで行った殻が残っていた。かつては、この毛を綿の代用として裁縫に使う針刺しや印肉に使用したようで、民間伝承の謎の生物「ケサランパサラン」の正体はガガイモの種だとする説もあるという。

12時45分、車を止めさせていただいた民家の前に到着して、下山を終えた。
湿り雪で見通しが少し悪くなってきたが、山中では暖かい日差しや展望に恵まれたのはラッキーであった。この運気を、今年の安全な山行に繋げていきたいものである。
リーダーへの感謝と全体の挨拶を終え、現地で解散して帰宅の途に就いた。
豊原町の民家前(C85付近)に車を置かせてもらい、9時25分に出発。ほとんど積雪がない牧草地の縁を、西尾根の末端に向かって歩く。画面の右は最初に目指す清水山、中央に310峰が見える。

西尾根はC140くらいから急な登りになる。例年であればスノーシューやわかんを装着し、ジグを切って高度を上げるが、今回は背の低い笹の斜面を壷足で辿った。山に、こんなに雪が少なくて良いのだろうか。

雪の隙間から、ジンヨウイチヤクソウ(腎葉一薬草)の葉が覗いていた。

尾根の中間部はカシワ(柏・槲)が主体の広葉樹林。やはり積雪は少ない。

花芽を付けたナニワズ(難波津)が、何株も見られた。

傾斜が少し緩くなると、尾根上部は近い。

ウメガサソウ(梅笠草)の葉も見られた。

C280付近で西尾根の上部に出て展望が開け、休憩をとる。

南山麓に広がる畑や牧草地は、かなり地面が出ている。

尾根上部から北西方向を望む。手前に吊り尾根を隔てた310峰。横津岳や袴腰岳までは見えなかったが、雁皮山や三森山が指呼できた。

10時35分、清水山の頂上に到着。枯れすすきの原っぱになっていた。

清水山の頂上で、1回目の全体集合写真を撮る。

積雪が少ない頂上部で三角点標石を探したが、見つけられなかった。南東方向の汐首岬方面を望む。

10分ほどで頂上を後にして、函館市中心部と函館山を見ながら少し戻り、310峰へつながる吊り尾根に向かう。

函館市中心部をズームアップ。五稜郭タワーが見えている。右の津軽海峡フェリーの向こうに煙を上げるのは、北斗市のセメント工場。

函館山もズームでどうぞ。手前に函館空港の滑走路と湯川温泉のホテル群。函館山の右奥に当別丸山(482.3m)。

吊り尾根を辿って310峰に登る。

進行方向の右手(東北東方向)に、亀田半島の山並みが望めた。北海道で最初に設けられた一等三角点を持つ古部丸山(点名:古部岳)や毛無山(通称:蛾眉野毛無山、二等三角点、点名:糸川)、三枚岳(三等三角点、点名:同じ)など。

310峰の登りから、なだらかな山容の清水山を振り返る。

清水山の頂上から30分で310峰に到着。時折眩しいほどに陽が射し、風も弱くて暖かい。この日2回目の全体集合写真に納まる。
ちなみに清水山と310峰の山名標識は当クラブ会員Ymさんの作成で、2023年2月の自主山行時に設置した。

310峰の頂上から、恵山(617.6m、三等三角点、点名:同じ)をズームアップ。左端は海向山(569.4m、二等三角点、点名:同じ)。

同じく、美しい容姿の古部丸山(691.0m)。

頂上でランチタイム時に見つけた、カマキリの古い卵嚢(らんのう)。狭い範囲に4~5個が集まっていた。
ちなみに、カマキリは秋に卵嚢を草や木の枝に産みつける際、本能的にその冬の積雪量を予測して雪に埋もれない高さに産卵する(積雪量が多そうだと高いところに卵を産む)という説・言い伝えがあるが、真偽のほどは定かではないらしい。

ランチタイムを終え、11時50分に310峰を発つ。正面は津軽海峡。

もう一度、南山麓を俯瞰する。高層雲の厚みが増して陽が陰り、寒さを感じるようになってきた。

310峰を下っている時、脇の草むら(地面からの高さは10cmくらい)に野鳥の古い巣があった。形状外寸法は約15センチ、また産座(巣の中央で卵を温めて雛を育てる場所)の広さが約7cmくらいあるので、野鳥に詳しい知人の鑑定では「ホオジロの巣かも知れない」とのことであった。ありがとうございました。

以下も、下山時に見かけた「博物誌」。西尾根を下っていくと、いくつかの白い岩塊を見かけた。汐首岬周辺や大千軒岳知内川などでも目にしたが、道南で通称「きんから石」と呼ばれる火成岩か。
![白い岩塊[きんから石] 白い岩塊[きんから石]](http://img01.naturum.ne.jp/usr/s/a/n/sangakuclub2/20240114-Z2%E6%B8%85%E6%B0%B4%E5%B1%B1k310%E5%B3%B0k%E7%99%BD%E3%81%84%E5%B2%A9%E5%A1%8A%5B%E3%81%8D%E3%82%93%E3%81%8B%E3%82%89%E7%9F%B3%5Dk.jpg)
マスクメロンの網目模様にも似た樹皮を持つハリギリ(針桐)の大木。高級タンスの材料として知られるキリ(桐)の仲間ではなく、タラノキ(惣木)などと同じウコギ科に属す。

牧草地まで降りてくると、湿った雪が降り出してきた。
牧草地の脇で、ガガイモ(蘿藦)の実に詰まっていた綿毛の種子が飛んで行った殻が残っていた。かつては、この毛を綿の代用として裁縫に使う針刺しや印肉に使用したようで、民間伝承の謎の生物「ケサランパサラン」の正体はガガイモの種だとする説もあるという。

12時45分、車を止めさせていただいた民家の前に到着して、下山を終えた。
湿り雪で見通しが少し悪くなってきたが、山中では暖かい日差しや展望に恵まれたのはラッキーであった。この運気を、今年の安全な山行に繋げていきたいものである。
リーダーへの感謝と全体の挨拶を終え、現地で解散して帰宅の途に就いた。