2023年07月21日
7月19日(水) 汐首岬(山野草探訪)
当クラブの自然部企画で定番の汐首山(290.6m、三等三角点、点名:同じ)を含む岬一帯を訪れ、この時期の山野草をゆったりと観察した。参加は23名。
函館市汐首町の作業道ゲート前を9時36分に出発。ゲートの手前にエゾニワトコ(蝦夷接骨木)の赤い実がなっていた。右奥に函館山が霞んでいる。
ゲートに掲示された注意看板。岬一帯には野性馬(飼育を放棄された馬)が群れで棲んでいる。人参などを与える人がいるようだが、餌をくれると思って近づく馬から危害を加えられる恐れがある。
作業道を進んでいくと、色とりどりの山野草が次々と現れた。[左上]エゾカワラナデシコ(蝦夷河原撫子)、[右上]カセンソウ(歌仙草)は雅な名前だが牧野富太郎は「由来は不明」としている。手元の野草図鑑では、同じキク科のオグルマ(御車、小車、緒車)がいにしえの高貴な人が乗った牛車(ぎっしゃ)の車輪を意味するので、よく似たこの花は牛車に乗る歌仙(すぐれた歌人)を連想させるとあった、[左下]トリアシショウマ(鳥足升麻)、[右下]クサフジ(草藤)。
ナワシロイチゴ(苗代苺)の実が熟し始めていた。何粒かを頂く。
樹木の果実も成長していた。[左上]キンギンボク(金銀木)、別名ヒョウタンボク(瓢箪木)の実は有毒、[右上]サルトリイバラ(猿捕茨)は、これが繁茂したところへ追いやられると猿さえも脱出できず、人間に捕らえられてしまうという意味合い、[左下]ガマズミ(莢蒾)の実は、秋に赤く熟すと食用になる、[右下]マユミ(檀・真弓・檀弓)の青い実。
サルナシ(猿梨)、別名コクワの実は秋の代表的な恵み。
再び花を4態。[左上]ハマフウロ(浜風露)はエゾフウロ(蝦夷風露)の変種で蕚(がく)片に長い毛はほとんど見られず、花びら5枚の付け根がかなり重なっている、[右上]ノコギリソウ(鋸草)の花にはピンク色のものも、[左下]オカトラノオ(丘虎の尾)は5弁の小さな花の集合体、[右下]イヌトウバナ(犬塔花)もしくはクルマバナ(車花)。
蝶も2態。[左]イチモンジチョウ(一文字蝶)、[右]ナミヒョウモン(並豹紋)。
花弁が白いエゾカワラナデシコ(蝦夷河原撫子)を見つけた。
C210の三叉路分岐から、作業道をショートカットして草原を登る。
西方向に続く下海岸の先に、層雲(海霧)を被った函館山(334m)。
みたび、草原や作業道に咲いていた花4態。[左上]ウツボグサ(靫草)は、毛ばだった花穂を靫(うつぼ:矢を携帯する用具)に見立てた、[右上]キリンソウ(麒麟草)、[左下]ヒロハノカワラサイコ (広葉河原柴胡)、[右下]ウスベニツメクサ(薄紅爪草)は帰化植物。
センチコガネ(雪隠金亀子、雪隠黄金虫)の金属光沢がある翅を含む動物(キタキツネか)のフン。センチコガネはフンコロガシと同じく、動物のフンなどに集まる糞虫(ふんちゅう)の一種。
海霧が漂う津軽海峡を航行するコンテナ船。
層雲(海霧)が覆う恵山(617.6m)をズームで。
足もとの草原は一面、帰化植物のフランスギクで占領されていた。
野性馬の一団は、汐首山から東にのびる尾根で草を食んでいた。仔馬も元気そう。
三角点がある汐首山の頂上で全体集合写真を撮る。久しぶり(最長1年1か月ぶり)に会山行に参加した会員も。
北北東に6.7km離れた丸山龍神宮の山(400m)は、標高こそ低いが鋭角の三角形が目立つ。林業関係者のみならず、津軽海峡で操業する漁師さんからも崇められてきた。
お目当てのマツムシソウ(松虫草)が咲いていた。白い花弁のものも発見。
草原と作業道を辿って288峰(通称「203高地」)に向かい、三叉路下のC200コルでランチタイムとする。
ここまでの草原で見られた黄色い花4態。[左上]ハイキンポウゲ(這金鳳花)、[右上]ハイオトギリ(這弟切)、[左下]トウゲブキ(峠蕗)、[右下]エゾノカワラマツバ(蝦夷河原松葉)。
白い飛行機雲と黒っぽい飛行機雲(「穴あき飛行機雲」か)が現れた。飛行した高度(湿度)の違いに依ると思われる。
ホソバノキソチドリ(細葉木曽千鳥)はラン科、小さな薄紫色の花のヒメヤブラン(姫薮蘭)はキジカクシ科。
お目当てのひとつだったノハナショウブ(野花菖蒲)は、花が終わりかけていた。
これもお目当てのママコナ(飯子菜)。花の下唇に「ご飯粒」が二つあるので、「飯子菜」との説が一般的。
C200コルから下山を始める。見上げる空にはきれいな日暈と飛行機雲。
下山途中で見かけたシュロソウ(棕櫚草)の花。葉の付け根にシュロのような毛がある。
ヤマナシ(山梨)の実。果実を食用として栽培される和ナシの野生種だそうだが、日本国内では気候が温暖な本州中部地方以南と四国、九州に自生とされる。はて、これは?
13時37分、林道ゲートに到着。ランチタイムを含めて、ちょうど4時間の逍遥であった。人数確認と挨拶を済ませて、現地で解散した。
多くの山野草を目にすることができたが、ブログにすべて載せられなかったことをご容赦ください。
函館市汐首町の作業道ゲート前を9時36分に出発。ゲートの手前にエゾニワトコ(蝦夷接骨木)の赤い実がなっていた。右奥に函館山が霞んでいる。
ゲートに掲示された注意看板。岬一帯には野性馬(飼育を放棄された馬)が群れで棲んでいる。人参などを与える人がいるようだが、餌をくれると思って近づく馬から危害を加えられる恐れがある。
作業道を進んでいくと、色とりどりの山野草が次々と現れた。[左上]エゾカワラナデシコ(蝦夷河原撫子)、[右上]カセンソウ(歌仙草)は雅な名前だが牧野富太郎は「由来は不明」としている。手元の野草図鑑では、同じキク科のオグルマ(御車、小車、緒車)がいにしえの高貴な人が乗った牛車(ぎっしゃ)の車輪を意味するので、よく似たこの花は牛車に乗る歌仙(すぐれた歌人)を連想させるとあった、[左下]トリアシショウマ(鳥足升麻)、[右下]クサフジ(草藤)。
ナワシロイチゴ(苗代苺)の実が熟し始めていた。何粒かを頂く。
樹木の果実も成長していた。[左上]キンギンボク(金銀木)、別名ヒョウタンボク(瓢箪木)の実は有毒、[右上]サルトリイバラ(猿捕茨)は、これが繁茂したところへ追いやられると猿さえも脱出できず、人間に捕らえられてしまうという意味合い、[左下]ガマズミ(莢蒾)の実は、秋に赤く熟すと食用になる、[右下]マユミ(檀・真弓・檀弓)の青い実。
サルナシ(猿梨)、別名コクワの実は秋の代表的な恵み。
再び花を4態。[左上]ハマフウロ(浜風露)はエゾフウロ(蝦夷風露)の変種で蕚(がく)片に長い毛はほとんど見られず、花びら5枚の付け根がかなり重なっている、[右上]ノコギリソウ(鋸草)の花にはピンク色のものも、[左下]オカトラノオ(丘虎の尾)は5弁の小さな花の集合体、[右下]イヌトウバナ(犬塔花)もしくはクルマバナ(車花)。
蝶も2態。[左]イチモンジチョウ(一文字蝶)、[右]ナミヒョウモン(並豹紋)。
花弁が白いエゾカワラナデシコ(蝦夷河原撫子)を見つけた。
C210の三叉路分岐から、作業道をショートカットして草原を登る。
西方向に続く下海岸の先に、層雲(海霧)を被った函館山(334m)。
みたび、草原や作業道に咲いていた花4態。[左上]ウツボグサ(靫草)は、毛ばだった花穂を靫(うつぼ:矢を携帯する用具)に見立てた、[右上]キリンソウ(麒麟草)、[左下]ヒロハノカワラサイコ (広葉河原柴胡)、[右下]ウスベニツメクサ(薄紅爪草)は帰化植物。
センチコガネ(雪隠金亀子、雪隠黄金虫)の金属光沢がある翅を含む動物(キタキツネか)のフン。センチコガネはフンコロガシと同じく、動物のフンなどに集まる糞虫(ふんちゅう)の一種。
海霧が漂う津軽海峡を航行するコンテナ船。
層雲(海霧)が覆う恵山(617.6m)をズームで。
足もとの草原は一面、帰化植物のフランスギクで占領されていた。
野性馬の一団は、汐首山から東にのびる尾根で草を食んでいた。仔馬も元気そう。
三角点がある汐首山の頂上で全体集合写真を撮る。久しぶり(最長1年1か月ぶり)に会山行に参加した会員も。
北北東に6.7km離れた丸山龍神宮の山(400m)は、標高こそ低いが鋭角の三角形が目立つ。林業関係者のみならず、津軽海峡で操業する漁師さんからも崇められてきた。
お目当てのマツムシソウ(松虫草)が咲いていた。白い花弁のものも発見。
草原と作業道を辿って288峰(通称「203高地」)に向かい、三叉路下のC200コルでランチタイムとする。
ここまでの草原で見られた黄色い花4態。[左上]ハイキンポウゲ(這金鳳花)、[右上]ハイオトギリ(這弟切)、[左下]トウゲブキ(峠蕗)、[右下]エゾノカワラマツバ(蝦夷河原松葉)。
白い飛行機雲と黒っぽい飛行機雲(「穴あき飛行機雲」か)が現れた。飛行した高度(湿度)の違いに依ると思われる。
ホソバノキソチドリ(細葉木曽千鳥)はラン科、小さな薄紫色の花のヒメヤブラン(姫薮蘭)はキジカクシ科。
お目当てのひとつだったノハナショウブ(野花菖蒲)は、花が終わりかけていた。
これもお目当てのママコナ(飯子菜)。花の下唇に「ご飯粒」が二つあるので、「飯子菜」との説が一般的。
C200コルから下山を始める。見上げる空にはきれいな日暈と飛行機雲。
下山途中で見かけたシュロソウ(棕櫚草)の花。葉の付け根にシュロのような毛がある。
ヤマナシ(山梨)の実。果実を食用として栽培される和ナシの野生種だそうだが、日本国内では気候が温暖な本州中部地方以南と四国、九州に自生とされる。はて、これは?
13時37分、林道ゲートに到着。ランチタイムを含めて、ちょうど4時間の逍遥であった。人数確認と挨拶を済ませて、現地で解散した。
多くの山野草を目にすることができたが、ブログにすべて載せられなかったことをご容赦ください。