2020年12月07日
12月6日(日) 川汲台場山と527.6m峰
函館近郊には「台場山」「台場」と称される地名がいくつか残されている。すべて「箱館戦争」(1868年~69年、新政府軍と旧幕府軍による戊辰戦争の最終局面で行われた戦闘)の史跡であり、内浦湾に面する鷲ノ木(現・森町)に上陸した榎本武揚率いる旧幕府軍が、新政府軍の侵攻に備えて築いた砲台跡がある。
今回訪れた旧南茅部町の川汲台場山(491m)もその一つで、土方歳三率いる分隊が箱館府軍と戦闘を交えて敗走させ、箱館戦争の火蓋を切った地である。参加は24名。
当クラブではこの数年、川汲公園から旧々道を通って川汲峠を越えて頂上へ登り、北東尾根を下る周回コースを歩いていたが、今回は往路として新川汲トンネル南側から上がるNTT管理道路を利用する横断コースを企画した。
下山口に近い川汲公園に大部分の車を回してから、NTT管理道路入口ゲートを8時50分に出発する。快晴の空で、気持ちが良い。

晴れて明け方に冷え込んだため、木々は樹霜(じゅそう)をまとっていた。樹霜とは、水蒸気が気温の低下で昇華し、樹木の枝など地面より高い所にできる霜のこと。

その樹霜に朝日が射して融け、水滴となって垂れ下がっている。逆光を浴びて、美しい。

NTT管理道路の路肩に紅白縞のポールが立てられ、上部に2組の数字が付けられている。下の数字(写真では1600m)は入口からここまでの距離、上の数字(同じく2629m)はここから川汲峠の上に建つ無線中継施設までの距離を示している。
![施設までの距離[上]と入口からの距離[下] 施設までの距離[上]と入口からの距離[下]](//img01.naturum.ne.jp/usr/s/a/n/sangakuclub2/20201206-D%E5%B7%9D%E6%B1%B2%E5%8F%B0%E5%A0%B4%E5%B1%B1k%E6%96%BD%E8%A8%AD%E3%81%BE%E3%81%A7%E3%81%AE%E8%B7%9D%E9%9B%A2%5B%E4%B8%8A%5D%E3%81%A8%E5%85%A5%E5%8F%A3%E3%81%8B%E3%82%89%E3%81%AE%E8%B7%9D%E9%9B%A2%5B%E4%B8%8B%5Dk.jpg)
川汲峠付近から南南西に伸びる尾根の東側~南側に付けられた道路は日当たりが良く、のんびりと陽だまりハイクが楽しめた。

日当たりの良い斜面に、黄色い蕾を付けたナニワズ。

道路入口から3、000mほど歩くと、正面の樹間から無線中継所が見えてきた。

10時20分、川汲峠に到着。

峠で休憩中、時間の余裕があるので、前から気になっていた北西隣りの三角点峰(527.6m)を訪れてみようとの意見がまとまった。所々で笹が被った古い林道を1.3kmほど辿る。

C462mのコルから、南東尾根に取り付く。笹薮を漕いでいくと、ところどころで古い登山道の痕跡が現れる。

途中で見かけた、大きなサルノコシカケ。

20分ほどの藪漕ぎで、三角点標がある頂上に達した。二等三角点で、点名は「川汲」。
![527.6m峰の二等三角点[点名:川汲] 527.6m峰の二等三角点[点名:川汲]](//img01.naturum.ne.jp/usr/s/a/n/sangakuclub2/20201206-L%E5%B7%9D%E6%B1%B2%E5%8F%B0%E5%A0%B4%E5%B1%B1k527.6m%E5%B3%B0%E3%81%AE%E4%BA%8C%E7%AD%89%E4%B8%89%E8%A7%92%E7%82%B9%5B%E7%82%B9%E5%90%8D%EF%BC%9A%E5%B7%9D%E6%B1%B2%5Dk.jpg)
1名を除いて初めて頂上に立った記念にと、全体写真を撮る。

10分ほどの滞在で下り始める。来春の蕾を付けたキタコブシの木があった。

川汲台場山を正面に見ながら、旧い林道を引き返す。

台場山に向かう登りに入る。前を行くメンバーのザックに付けられたモノは?

12時25分、穏やかに晴れた川汲台場山に到着。2回目の全体写真を撮ってから、ランチタイムとする。


メンバーのIさんが途中で見つけた鹿の落とし角。山菜採り用ナイフの柄に使うと言う。ちなみに、12月26日(旧暦11月12日)は七十二候の一つ「麋角解(びかくげす)」で、鹿の角が落ちて生え替わる頃とされる。

頂上からの展望をどうぞ。先ず、南南西方向にNTT無線中継所と、左奥に丸い頂きの尾札部毛無山(630.6m)。
![NTT無線中継所と尾札部毛無山[左] NTT無線中継所と尾札部毛無山[左]](//img01.naturum.ne.jp/usr/s/a/n/sangakuclub2/20201206-S%E5%B7%9D%E6%B1%B2%E5%8F%B0%E5%A0%B4%E5%B1%B1kNTT%E7%84%A1%E7%B7%9A%E4%B8%AD%E7%B6%99%E6%89%80%E3%81%A8%E5%B0%BE%E6%9C%AD%E9%83%A8%E6%AF%9B%E7%84%A1%E5%B1%B1%5B%E5%B7%A6%5Dk.jpg)
東南東方向、左の三角錐形は578m峰、右には582m峰と古部丸山(691.0m)が前後に重なって見える。
![578m峰[左]と古部丸山[右奥] 578m峰[左]と古部丸山[右奥]](//img01.naturum.ne.jp/usr/s/a/n/sangakuclub2/20201206-T%E5%B7%9D%E6%B1%B2%E5%8F%B0%E5%A0%B4%E5%B1%B1k578m%E5%B3%B0%5B%E5%B7%A6%5D%E3%81%A8%E5%8F%A4%E9%83%A8%E4%B8%B8%E5%B1%B1%5B%E5%8F%B3%E5%A5%A5%5Dk.jpg)
南西方向は、左に函館山(334m)と右奥にかすむ当別丸山(482.3m)。
![函館山と当別丸山[右奥] 函館山と当別丸山[右奥]](//img01.naturum.ne.jp/usr/s/a/n/sangakuclub2/20201206-U%E5%B7%9D%E6%B1%B2%E5%8F%B0%E5%A0%B4%E5%B1%B1k%E5%87%BD%E9%A4%A8%E5%B1%B1%E3%81%A8%E5%BD%93%E5%88%A5%E4%B8%B8%E5%B1%B1%5B%E5%8F%B3%E5%A5%A5%5Dk.jpg)
西に三森山(842.1m)。

北西に函館市最高峰の袴腰岳(1,108.4m)。

12時55分、頂上をあとに川汲温泉に向かって北東尾根を下る。途中で左後方の樹林越しに、先ほど登った527.6m峰(三角点名「川汲」)が見えた。

北東尾根上の306mポコに登り返す途中にある、ブナの大木。

川汲温泉旅館が見えてきた。川汲温泉は土方歳三も入浴したと言われ、この旅館の駐車場には「箱館戦争川汲戦戦死者慰霊碑」が建つ。

14時55分、川汲公園駐車場に到着して下山を終了。挨拶を済ませ、車相乗りで道道83号線をNTT管理道路入口に向かった。
この管理道路を利用させてもらうと、川汲台場山に最も短時間で楽に登ることができる。当クラブには、ありがたいコースである。
今回訪れた旧南茅部町の川汲台場山(491m)もその一つで、土方歳三率いる分隊が箱館府軍と戦闘を交えて敗走させ、箱館戦争の火蓋を切った地である。参加は24名。
当クラブではこの数年、川汲公園から旧々道を通って川汲峠を越えて頂上へ登り、北東尾根を下る周回コースを歩いていたが、今回は往路として新川汲トンネル南側から上がるNTT管理道路を利用する横断コースを企画した。
下山口に近い川汲公園に大部分の車を回してから、NTT管理道路入口ゲートを8時50分に出発する。快晴の空で、気持ちが良い。

晴れて明け方に冷え込んだため、木々は樹霜(じゅそう)をまとっていた。樹霜とは、水蒸気が気温の低下で昇華し、樹木の枝など地面より高い所にできる霜のこと。

その樹霜に朝日が射して融け、水滴となって垂れ下がっている。逆光を浴びて、美しい。

NTT管理道路の路肩に紅白縞のポールが立てられ、上部に2組の数字が付けられている。下の数字(写真では1600m)は入口からここまでの距離、上の数字(同じく2629m)はここから川汲峠の上に建つ無線中継施設までの距離を示している。
![施設までの距離[上]と入口からの距離[下] 施設までの距離[上]と入口からの距離[下]](http://img01.naturum.ne.jp/usr/s/a/n/sangakuclub2/20201206-D%E5%B7%9D%E6%B1%B2%E5%8F%B0%E5%A0%B4%E5%B1%B1k%E6%96%BD%E8%A8%AD%E3%81%BE%E3%81%A7%E3%81%AE%E8%B7%9D%E9%9B%A2%5B%E4%B8%8A%5D%E3%81%A8%E5%85%A5%E5%8F%A3%E3%81%8B%E3%82%89%E3%81%AE%E8%B7%9D%E9%9B%A2%5B%E4%B8%8B%5Dk.jpg)
川汲峠付近から南南西に伸びる尾根の東側~南側に付けられた道路は日当たりが良く、のんびりと陽だまりハイクが楽しめた。

日当たりの良い斜面に、黄色い蕾を付けたナニワズ。

道路入口から3、000mほど歩くと、正面の樹間から無線中継所が見えてきた。

10時20分、川汲峠に到着。

峠で休憩中、時間の余裕があるので、前から気になっていた北西隣りの三角点峰(527.6m)を訪れてみようとの意見がまとまった。所々で笹が被った古い林道を1.3kmほど辿る。

C462mのコルから、南東尾根に取り付く。笹薮を漕いでいくと、ところどころで古い登山道の痕跡が現れる。

途中で見かけた、大きなサルノコシカケ。

20分ほどの藪漕ぎで、三角点標がある頂上に達した。二等三角点で、点名は「川汲」。
![527.6m峰の二等三角点[点名:川汲] 527.6m峰の二等三角点[点名:川汲]](http://img01.naturum.ne.jp/usr/s/a/n/sangakuclub2/20201206-L%E5%B7%9D%E6%B1%B2%E5%8F%B0%E5%A0%B4%E5%B1%B1k527.6m%E5%B3%B0%E3%81%AE%E4%BA%8C%E7%AD%89%E4%B8%89%E8%A7%92%E7%82%B9%5B%E7%82%B9%E5%90%8D%EF%BC%9A%E5%B7%9D%E6%B1%B2%5Dk.jpg)
1名を除いて初めて頂上に立った記念にと、全体写真を撮る。

10分ほどの滞在で下り始める。来春の蕾を付けたキタコブシの木があった。

川汲台場山を正面に見ながら、旧い林道を引き返す。

台場山に向かう登りに入る。前を行くメンバーのザックに付けられたモノは?

12時25分、穏やかに晴れた川汲台場山に到着。2回目の全体写真を撮ってから、ランチタイムとする。


メンバーのIさんが途中で見つけた鹿の落とし角。山菜採り用ナイフの柄に使うと言う。ちなみに、12月26日(旧暦11月12日)は七十二候の一つ「麋角解(びかくげす)」で、鹿の角が落ちて生え替わる頃とされる。

頂上からの展望をどうぞ。先ず、南南西方向にNTT無線中継所と、左奥に丸い頂きの尾札部毛無山(630.6m)。
![NTT無線中継所と尾札部毛無山[左] NTT無線中継所と尾札部毛無山[左]](http://img01.naturum.ne.jp/usr/s/a/n/sangakuclub2/20201206-S%E5%B7%9D%E6%B1%B2%E5%8F%B0%E5%A0%B4%E5%B1%B1kNTT%E7%84%A1%E7%B7%9A%E4%B8%AD%E7%B6%99%E6%89%80%E3%81%A8%E5%B0%BE%E6%9C%AD%E9%83%A8%E6%AF%9B%E7%84%A1%E5%B1%B1%5B%E5%B7%A6%5Dk.jpg)
東南東方向、左の三角錐形は578m峰、右には582m峰と古部丸山(691.0m)が前後に重なって見える。
![578m峰[左]と古部丸山[右奥] 578m峰[左]と古部丸山[右奥]](http://img01.naturum.ne.jp/usr/s/a/n/sangakuclub2/20201206-T%E5%B7%9D%E6%B1%B2%E5%8F%B0%E5%A0%B4%E5%B1%B1k578m%E5%B3%B0%5B%E5%B7%A6%5D%E3%81%A8%E5%8F%A4%E9%83%A8%E4%B8%B8%E5%B1%B1%5B%E5%8F%B3%E5%A5%A5%5Dk.jpg)
南西方向は、左に函館山(334m)と右奥にかすむ当別丸山(482.3m)。
![函館山と当別丸山[右奥] 函館山と当別丸山[右奥]](http://img01.naturum.ne.jp/usr/s/a/n/sangakuclub2/20201206-U%E5%B7%9D%E6%B1%B2%E5%8F%B0%E5%A0%B4%E5%B1%B1k%E5%87%BD%E9%A4%A8%E5%B1%B1%E3%81%A8%E5%BD%93%E5%88%A5%E4%B8%B8%E5%B1%B1%5B%E5%8F%B3%E5%A5%A5%5Dk.jpg)
西に三森山(842.1m)。

北西に函館市最高峰の袴腰岳(1,108.4m)。

12時55分、頂上をあとに川汲温泉に向かって北東尾根を下る。途中で左後方の樹林越しに、先ほど登った527.6m峰(三角点名「川汲」)が見えた。

北東尾根上の306mポコに登り返す途中にある、ブナの大木。

川汲温泉旅館が見えてきた。川汲温泉は土方歳三も入浴したと言われ、この旅館の駐車場には「箱館戦争川汲戦戦死者慰霊碑」が建つ。

14時55分、川汲公園駐車場に到着して下山を終了。挨拶を済ませ、車相乗りで道道83号線をNTT管理道路入口に向かった。
この管理道路を利用させてもらうと、川汲台場山に最も短時間で楽に登ることができる。当クラブには、ありがたいコースである。