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山楽人2
山楽人2
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2025年03月10日

3月9日(日) 蛾眉野毛無山

 通称・蛾眉野毛無山(630.6m、二等三角点、点名:糸川)は、道南にいくつかある毛無山と名の付く山の一つ。亀田半島の三森山(842.1m)から恵山(617.6m)までの間で古部丸山(691.0m)に次ぐ標高を持ち、頂上から360度の展望が楽しめる。参加は9名。

 道道41号線(函館恵山線)の蛾眉野町から糸川林道に入り、約2.8km進んだ三叉路(C103付近)の道路脇除雪地に車3台を何とか停めた。
 8時35分、除雪されていない林道(「常五郎林道」の標識あり)に入り、糸川に架かる「清流橋」を渡る。
糸川の清流橋を渡って出発

 林道を約1.2km進んだ3つ目の「栄橋」を渡ると、左カーブ(C125付近)の右奥に廃棄された路線バスの車体がある。作業小屋として使われていたのだろうか。
 この後方を回って尾根(標高点392m・482m・582mがある右尾根)に取り付く。
栄橋を渡った先の廃バスから右尾根に

 右尾根の下部はエゾシカの生活道で、歩きづらい。場所によって、一面に笹の葉が食されていた。
右尾根の下部はエゾシカの生活道

 エゾシカの寝床もあちこちに。
エゾシカの寝床

 右尾根は途中にコブがいくつもあり、傾斜の緩急コントラストが強い。傾斜が緩い場所は気分良く歩ける。
右尾根は傾斜の緩急コントラストが強い

 前週(3月5日、6日)の低気圧通過によって、樹木の東側だけに雪が付着していた。
前週の低気圧通過で東側に雪が

 C320付近から、本峰頂上がすっきり見通せた。地形図で、頂上を取り巻く標高620mの等高線が繭形をしている。この写真でも、右の本峰と左の西峰で双耳になっていることが良く判る。
C320付近から本峰頂上方面

 南東方向に、谷を挟んで三枚岳(585.6m、三等三角点、点名も三枚岳)。登っている地点の標高の目安になる。
三枚岳

 標高点392mを通過する。頂上はまだ遠い。
標高点392を通過

 その先のコルを乗り越す旧い林道を使って左に少し回り込み、再び尾根に上がっていく。
林道跡から再び尾根に

 標高点482m付近の気持ち良い雪原で休憩。
標高点482付近で休憩

 最後の標高点582mに向かう。
標高点582に向かう

 東南東方向に亀田半島南東端の恵山(617.6m、三等三角点、点名も恵山)と左手前に海向山(569.4m、二等三角点、点名も海向山)が望めた。
恵山と海向山

 東北東方向に通称・古部丸山(691.0m、一等三角点、点名:古部岳)。ここの三角点は、北海道で最初に設置された(明治29年7月4日が選点日)。
古部丸山

 標高点582mを越えて、本峰との間のコルに下がる。頂上の南側は樹木がなく、かなり急な傾斜の雪面になっている。
標高点582から本峰とのコルに下がる

 コルから山頂に向かって、雪崩や滑落の危険を避け、右側(東側~北側)の樹林内を注意深く斜上していく。
本峰の東~北側樹林帯を巻く

 最後は西峰との鞍部に出て、反対側から頂上に立った(12時21分)。
西側から本峰に登頂

 頂上の樹木に、当会会員Ymさん作成の山名標識を取り付ける。
山名標識を取り付け

 恒例の全体集合写真。
山頂で全体集合

 集合写真でも掲げていた頂上の山名看板。この裏側に「酒場放浪記」と記してあった。「酒場詩人」の吉田類氏と何か関係があるのだろうか。
頂上の標識

 天気予報のとおり雲が広がってきたが、頂上からは遮ぎるものがない360度の展望が得られた。
 先ず、北東方向には函館市木直町地区に聳える三つの三角峰。右が父親(頭に白髪もある)、中が母親(三等三角点、点名:丸山)、左は子供と、家族のよう。右には古部丸山。
木直3山と古部丸山

 東南東方向に恵山と海向山。
古部丸山から恵山方面

 南南東に、隣の三枚岳(585.6m)。遠くに津軽海峡を挟んで、青森県下北半島の山々が霞んでいる。
三枚岳と遠く下北半島

 反対の北西方向には、函館市の最高峰である袴腰岳、三森山、泣面山など。
袴腰岳・三森山方面と泣面山

 西南西方向に、函館山(334m)も。
函館山方面

 頂上は陽が陰って風が冷たいので、ランチは少し下りて摂ることにした。12時35分、西峰から標高点481mがある西寄りの尾根(左尾根)に向かって下がる。
西峰から左尾根を下る

 左尾根の標高点481mの少し上部でランチタイム。南方向に、低いながら美しい三角錐形の丸山龍神宮の山(400m)が望めた。林業の方などには「山の神」として、戸井の漁師さんには「大漁の神」として大切に信仰されており、頂上の少し下に立派な御社がある。
ランチタイム場所から丸山龍神宮の山

 左尾根の末端(C180付近)は急な崖で終わっている。左股の谷へ慎重に下りた。
左尾根の末端から沢に降り立つ

 糸川に向かう支流に、小さな滑滝が懸かっていた。水量は割合に多く、何となく嬉しい。
左尾根末端の小滝

 糸川を渡って林道に出て、車に戻る。廃バス(登り始めた地点)を過ぎた「栄橋」から、糸川の下流を撮る。川面の様子に春の気配が…。
 15時3分、駐車場所に到着し、無事に下山を終了した。
廃バス下の栄橋から糸川の様子

 駐車場所で挨拶を済ませ、車3台が揃って林道を下がった。
 日曜日だったので営林作業用の車両は通らないとは思われたが、停めた車が通行の支障にならないように配慮した。

 蛾眉野毛無山は、頂部から南西方向の糸川が流れる谷に、二本の顕著な尾根を下げている。今回は下流側の尾根(「右尾根」とした)から本峰に登り、西峰から上流側(西側)の尾根(「左尾根」とした)を下って周回した。右尾根は途中にコブがいくつもあり、傾斜の緩急に変化がある。尾根の途中から、頂部や東側~南側の展望が得られる。これを下りに使うと登り返しや派生尾根があって、疲労や道迷いを引き起こしやすい。左尾根はコブが一か所あるほかは、やや急な下り一辺倒で、展望が得られる場所も少ない。これを登りに使うのはシンドイようだ。今回のような反時計回りのコース取り(右尾根を登って左尾根を下る)が快適と思われる。

 なお、毛無山は木無山や気無山も含めて、語源はアイヌ語の「ケナシ」(山林、林野、木原の意)に因むらしい。和語から受ける「木のない山」とは正反対だとのこと。
  


Posted by 山楽人2 at 20:30Comments(0)登山アウトドア自然観察