11月27日(日) 七飯町・502峰(点名:鷹ノ巣)

山楽人2

2022年11月29日 18:00

 七飯町上藤城地区に位置する502峰(502.1m、点名:鷹ノ巣)を訪れた。明瞭な道がない低山で登山者はごく少ないが、短い距離でも野性的な山歩きと中腹からの展望が楽める。参加は33名。

 集合した七飯町の道の駅「なないろ・ななえ」から望む鷹ノ巣(右奥のアンテナ群は城岱牧場の一角)。三角形だが、左右で傾斜が異なる特徴的な姿を見せる。当会の会山行としては、2020年4月以来2度目。


 道の駅から国道5号線(函館新道)の側道に入って最初の十字路を左(山側)に入り、突き当りの丁字路(標高点145)を左に400mほど入った林道ゲート手前の駐車スペース(C172)に停める。参加者を三つのグループに分け、コースの説明をして9時23分に出発。
 この藤山峠に向かう山道は当会員のTaoさんに2019年3月以降、何度も紹介・下見で同行していただいた。


 C320付近で狭い谷を渡る。第1グループの後尾、第2グループ、第3グループの先頭が写っている。


 この谷沿いの斜面には、春に一面のフクジュソウ(福寿草)が開く。すでに、小さな蕾が準備していた。


 七飯町の藤城地区・上藤城地区・上軍川地区の境界にある藤山峠に上がる。城岱スカイラインが通り、峠下台場山方面に向かう林道が分岐している。
 藤山峠は、江戸時代から鹿部・軍川方面と函館方面を結ぶ幹線道が通っていた。名前は明治初期にあった藤山村から(明治14年に藤山村と城山村が合併して藤城村となった[七飯町史による])。2020年4月に藤山峠周辺を訪れた際の模様は、こちらをご覧ください。


 城岱スカイラインを南東方向に辿る。冬期閉鎖に入ったので、車の心配は少ない。途中で見かけたツルウメモドキ(蔓梅擬)。


 藤山峠から約1.3km、20分で鷹ノ巣への取り付き地点に到達。時刻は11時少し前だが、この先はブッシュ帯なので、車が来ない道路で早めのランチタイムとする。「早弁!」「早メシ!」「道路メシ!」などと言いながら…。


 道路から直線距離で600m先にある鷹ノ巣を眺める。ここから背の高い笹薮を漕いで標高差43mを下降し、59m登る。


 笹薮帯に突入する。先頭はトレッキングポールの先端にピンクテープを付けて高く掲げ、後続の目印とした。前後のメンバーと間を空けないようにゆっくり進む。所どころに旧いテープが下がっていた。鞍部までは背丈を超える笹薮が続く。


 鞍部を過ぎると笹薮の高さも密度も少し薄くなり、やや歩きやすくなった尾根上を登る。


 頂上付近は再び背丈を超える笹薮となり、三角点を探すのに少し手間取った。12時27分、笹薮の中にある三等三角点標識に到着(出発から2時間30分[ランチタイムを除く])。


 三角点の周りの笹を少し刈ってから、2年半前に付けた山名標識を入れて、グループごとに全体集合写真を撮る。




 地形図と方位磁針で目指す南尾根の方向を確認し、12時40分に下山開始。尾根は、トドマツ(人工)やカンバ・ブナ(自然)が混交している。下草の笹は薄いので、歩くのに苦ではない。後続を待ちながらひと息入れる。


 トドマツの幹に、エゾシカの角研ぎ痕。


 地表が現れた所で、山野草の緑葉を見つける。順に、サルメンエビネ(猿面海老根、実も)、ジンヨウイチヤクソウ(腎葉一薬草)、ツルリンドウ(蔓竜胆)。




 南尾根を五分の三ほど下りた地点(C330)から電源開発(J-POWER)の送電線下に付けられた巡回路に入って、北西方向に進む。ジャコウソウ(麝香草)の枯れた花があった。


 巡回路からは西方向の眺めが良い。木地挽山の左(西)に、北斗毛無山と700峰(通称:北斗700)。


 木地挽山の右(北西)には、三九郎岳(800峰、本峰、817峰)と、北東に続く尾根上の759峰(通称:四九郎岳)、660峰(通称:五九郎岳)の山々。


 巡回路は幅広く刈り払われて歩きやすい。


 巡回路を塞ぐようにソーラー発電区画が設置されていた(2年前にはなかった)。フェンスの外側を巻く。函館平野(大野平野)北端の向こうに700峰(通称:北斗700)や、石灰石を採掘する峩朗鉱山の西に位置する549峰などが望めた。


 再び巡回路に出合う。最後の沢を越す地点には、金属パイプの手摺りと金属製の渡し板が設置されている。



 コース最後の送電鉄塔の下で休憩。


 鉄塔から標高差30mを下がり、標高点145近くの林道に降り立つメンバー。







 14時55分、林道ゲート手前の駐車スペースに到着して下山を終了した(鷹ノ巣から2時間15分だが、ソーラー発電区画を回り込んだため30分近くを余計に要した)。
 寒冷前線の通過後に寒気が流れ込んだため雲が多く、函館市内の気温も日中で4℃前後と寒かったが、幸いにもみぞれが少し降った程度であった。静かでややワイルドな里山歩きと、まずまずの展望を楽しむことができた。
 参加メンバーを三つのグループに分けてそれぞれにリーダー2~3名を付け、メンバーへの目配りに努めた。

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