10月26日(水) 仁山高原(秋の山野草探訪)

山楽人2

2022年10月28日 20:40

 自然部企画として、紅葉の絶景スポットである仁山高原(ニヤマ高原スキー場の一帯)を訪れた。リフト乗り場(C103)から作業道とスキーコースを利用して「きじひき高原パノラマ展望台」(C563)までを辿り、紅葉や黄葉、山野草の果実、展望などを楽しんだ。参加は15名。

 リフト乗り場を8時55分に出発し、スキー場の「カラマツゲレンデ」に沿う作業道を進む。正面(北西方向)の斜面は紅葉や黄葉に彩られていた。


 作業道の脇でヤマブドウの実が鈴なりだったが、高い所で手が届かない。「このブドウは、絶対に酸っぱくて不味いに違いない。誰が食べてやるもんか」(イソップ物語)。


 緑色、黄色、赤色の葉を持つ樹木を揃えて、交通信号に見立ててみた。(左)サンショウ(山椒)、(中)アカイタヤ(赤板屋)、(右)ハウチワカエデ(羽団扇楓)。


 作業道のC220分岐で休憩し、開けてきた展望を楽しむ。登山路はここから左に折れていくのだが、正面の道路からは伐採した樹幹を積んだトラックが下りてきた。


 C250付近に至ると、東側の展望がいっそう開けてきた。馴染みのピークを同定する。


 快晴の空から降り注ぐ陽光に照らされて、色付いた葉が美しい。


 山野草の観察で任意に立ち止まれるのは、自然部企画ならでは。


 見かけた秋の恵みをどうぞ。(左上)シオデ(牛尾菜)の実、(右上)アキグミ(秋茱萸)の実。
 (左下)マタタビ(木天蓼)の実、(右下)サルナシ(猿梨)の実(別名:コクワ)。


 作業道の途中から見上げた、430峰山腹の紅葉と黄葉。


 紅葉・黄葉の主役を務める樹木の葉は、ムクロジ科カエデ属が多い。左はアカイタヤ(赤板屋)、右はイタヤカエデ(板屋楓)。「カエデ」の名前の由来は、葉の形がカエルの手「蝦手」に似ていることから。


 C390付近の急斜面スキーコースは、一面のススキ(薄)に埋め尽くされていた。


 同地点で休憩し、展望を楽しむ。


 南方向に望む函館平野と函館山(334m)、津軽海峡越しの下北半島。右端の海上構造物は「太平洋セメント上磯工場」からセメント運搬船に積み込むためのベルトコンベアー。


 函館市の五稜郭タワーをズームアップで。


 山野草の実を4枚どうぞ。(左上)コウライテンナンショウ(高麗天南星)の実、(右上)アカバナ(赤花)の裂けた実の名残り、(左下)センボンヤリ(千本槍)の冠毛、(右下)秋定番・ツルリンドウ(蔓竜胆)の実。


 439.8mの小ピーク(四等三角点、点名:仁山)に立ち寄って、展望を楽しんだ。足元の国道5号線を眺める。広い道路の左側に道の駅があり、その先は新道と旧道に分かれている。


 「きじひき高原パノラマ展望台」のレストハウスを見上げる。中央は旧「白樺コース」のスキーリフトと滑走斜面。


 展望台に向かう作業道は、秋らしく一面の薄ヶ原。


 ハウチワカエデ(羽団扇楓)の紅葉とヤマブドウの実のコラボレーション。


 そのハウチワカエデの紅葉が美しい。


 山野草の実と花の続編4枚をどうぞ。(左上)まだ残っていたウメバチソウ(梅鉢草)の花、(右上)はじけたツルウメモドキ(蔓梅擬)の実、(左下)ノイバラ(野茨)の実、(右下)オオハンゴンソウ(大反魂草)の種(北アメリカ原産の環境省指定特定外来生物)。


 作業道をショートカットして笹原を木地挽高原道路に向かうと、目指す「きじひき高原パノラマ展望台」とレストハウスが見えてきた。


 高原道路に出て振り返ると、北西方向に木地挽山(683m)のマイクロ波アンテナ群が見えた。


 北東方向には駒ヶ岳(1131m)と大沼・小沼の大展望。


 展望台には11時25分に到着。頂部に安置された三十三観音と大平観音の像。


 標識看板がある一角で、駒ヶ岳と大沼・小沼を背景に全体集合写真を撮る。


 豪華で贅沢な眺望を眼前にしながら、ゆったりとランチタイムをとる。


 展望台からの眺めをどうぞ。南西方向に桂岳(右奥、733.6m)。


 南方向にはトラピスト修道院の裏山に当たる当別丸山(482.3m)と、右端に鋭角の頂部を見せる知内町の尖山(360.7m)。遠方は津軽半島。


 北方向には内浦湾越しに、直線距離で99km離れた羊蹄山(1898m)が霞んで見えた。冬の装いをまとい始めていた。


 12時10分に下山を開始。同じコースを辿って下がるが、逆方向の目線からは、また違った様相を愛でることができた。
 13時45分、スキー場リフト乗り場に到着して下山を終了。簡単に挨拶を済ませ、現地で解散した。去りゆく秋と来る冬の気配を感じつつ、自然の中にたっぷりと身をゆだねる至福のひとときを過ごすことができた。

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