10月12日(水) 厚沢部町「レクの森」(秋の山野草探訪)

山楽人2

2022年10月14日 00:30

 自然部企画として厚沢部町の土橋自然観察教育林(通称「レクの森」)を訪れ、秋の山野草を観察した。今回は「会創立25周年記念」の第20山行目。参加は16名。

 森林展示館前の「レクの森」駐車場でリーダーからコースの説明を受け、10時10分に出発。バンガロー村を抜けて、畑内川沿いの観察路に向かう。アケボノソウ(曙草)が果実を付けていた。


 青紫色の花は、オクトリカブト(奥鳥兜)か。


 赤紫色のエゾノサワアザミ(蝦夷の沢薊)の花。


 C50あたりから観察路は山道になる。少し登ったところで見かけたキンセイラン(金精蘭)の葉。長く伸びた花茎が残っている。


 モミジガサ(紅葉笠)。


 黒い果実が落ちて、紅く太い柄が残ったルイヨウショウマ(類葉升麻)。


 背の高い針葉樹林の中、木漏れ日を浴びてゆっくりと登る。


 出発から35分ほどで、「レクの森」のランドマークの一つであるヒノキアスナロの老木「ヒバ爺さん」に到着して休憩を取る。


 ここから先は尾根道になり、ツバメオモト(燕万年青)が多く見られる。美しい瑠璃色の果実が残っていた。


 今回のお目当てのひとつ、キッコウハグマ(亀甲白熊)が現れてきた。葉の形が亀の甲羅に似ていることから「亀甲」、小さくて白い花が「はぐま(白熊)」というヤクの毛に似ていることから、この名前があるという。「はぐま」は兜や槍の白い飾り、僧侶が使う払子に使われた。


 長く伸びた茎から尖った蕾をたくさん付けているが、ずんぐりした方が花を咲かせる開放花で、細長いのは花が咲かない閉鎖花。


 花びら5枚の小花が3個合体し、一輪の花のように見えるそうだが、写真で分かるだろうか。


 キッコウハグマの花4態をどうぞ。


 右手(西側)から別の散策路が合流してくると、ヒバの大木「青年の樹」に到着する。樹に「力こぶ」みたいな突起物があるので、そう呼ばれているとのこと。


 この先に、ミヤマウズラ(深山鶉)の群落があった。


 「レクの森」散策路の最も奥に、森の象徴であるブナの大木「ブナ婆さん」が立っている。


 ここから引き返して西側の散策路に入っていくと、種子を付けたズダヤクシュ(喘息薬種)が現れた。仲間うちでは、「ズダ」と問えば「ヤクシュ」と応える合言葉に定着したとの説も。


 実がはじけたウバユリ(姥百合)。


 尾根上の散策路を進むメンバー。


 ツルアリドオシ(蔓蟻通し)の紅い果実。2つの花から1つの実ができるため、実の頭には花の跡が2個残っている。


 トチバニンジン(栃葉人参)の果実は、先端が黒くなるものもある。


 紅いユキザサ(雪笹、別名:アズキナ)の果実は、透明感があって美しい。


 コウライテンナンショウ(高麗天南星)の果実。


 散策路はC55付近でV字形になって谷を越え、対岸を進む。渡り終えたメンバー13名(上と中)と、これから渡るメンバー2名(下)を撮る。


 見本林に上がる散策路脇の笹斜面で見つけた、見事なツチアケビ(土木通)の果実。ナラタケと共生しているラン科の腐生植物で、葉は退化して葉緑素を持たない。


 見本林の樹木に絡まるツルアジサイ(蔓紫陽花)の葉に、たくさんのセミの抜け殻がぶら下がっていた。賑やかだったであろう、夏の名残り。


 見本林にある野鳥観察小屋を背景に、恒例の集合写真を撮る。


 ゲンノショウコ(現の証拠)の果実がはじけた様子。神輿の屋根のように反り返っているので、別名をミコシグサ(御輿草)という。右下に見るのが、はじける前の未熟な果実。


 センボンヤリ(千本槍)の果実。


 13時10分、「レクの森」を一回りして、森林展示館前の駐車場にゴールイン。人数確認と挨拶を済ませて、現地で解散した。
 メンバーの多くは近くの新装なった道の駅に移動し、買い物をしたり見物したりして、帰途に就いた。好天に恵まれ、秋の風情を十分に堪能することができた。ここに紹介できなかった山野草も、たくさんあった。

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