6月7日(日) 雁皮山

山楽人2

2020年06月09日 07:30

北海道の緊急事態宣言解除(5月25日)を受け、会活動は6月例会(6月3日)から再開した。久し振りの会山行なので、ルートを良く知っており5時間程度の行動で楽しめる雁皮山(743.3m)とした。次第に青空が広がってくる天候のもと、参加は20名。

RV車は函館市陣川町の林道ロータリー十字路に各自で移動。乗り合わせを避けるため、普通乗用車と軽乗用車のメンバーは「こぶし座」付近の路肩に車を置かせてもらい、十字路まで10分弱を歩いた。始めに本日のチーフリーダーOさんから、予定のルートとコースタイムのほか、山行中もできるだけマスクを着用すること、前後の間隔を長くとること、熱中症予防のため水分補給はこまめに行うこと、行動食などを分け合わないことなどを改めて確認し、8時35分過ぎに出発。


道沿いの両脇にある四国八十八か所信仰の石仏を眺めながら、樹林帯に入っていく。早速、(左上)ササバギンラン[笹葉銀蘭]、(右上)ツクバネソウ[衝羽根草]、(左下)ミツバウツギ[三葉空木]、(右下)ホウチャクソウ[宝鐸草]が見られた。


最初のピーク・蝦夷松山まで、定番の花をどうぞ。(左上)クルマバツクバネソウ[車葉衝羽根草]、(右上)ヤマシャクヤク[山芍薬]、(左下)エダウチチゴユリ[枝打稚児百合]、(右下)チゴユリ[稚児百合]。


(左上と右上)オクエゾサイシン[奥蝦夷細辛]、(左下)ノビネチドリ[延根千鳥]、(右上)コヨウラクツツジ[小瓔珞躑躅]。


蝦夷松山頂上基部の急な岩場に差し掛かると、足場を慎重に確かめながら登るためペースが遅くなる。前後の距離を保って、順番を待つ。


この岩場を慎重に越えると、蝦夷松山の頂上に飛び出す。設置されたロープは古くなっているので、全面的な信用はしない。


頂上に立って振り返ると、函館市街地と函館山、津軽海峡が一望できた。


蝦夷松山から雁皮山まで、岩塔とアップダウンが続く稜線を辿る。目を楽しませてくれたのは、(左上)コケモモ[苔桃]、(右上)名残のシラネアオイ[白根葵]:なぜか葉の形が丸い!!、(左下)花が終わったツバメオモト[燕万年青]、(右下)これから見頃を迎えるエゾヤマツツジ[蝦夷山躑躅]。


大きな岩塔壁の途中に引っかかった岩塊。数年前からずっと落ちそうで落ちない「受験の神様」。


石楠花山を越えると、目指す雁皮山(南峰)の三角点頂上が見えてきた。


右手(東側)には三森山(842.1m)と遠く恵山方面の展望が良い。


約30km離れた恵山(617.6m)と手前の海向山(569.4m)をズームで。この日の恵山では、5月15日から行方不明となっている男子高校生の捜索が、登山愛好家など46人(当クラブ会員も含む)の参加により実施されたが、手掛かりの発見には至らなかった。


笹が刈り払われた登山道に感謝しながら登り詰めて11時25分、雁皮山頂上に到着。恒例の全体写真は「密」になるため撮らないことにしたので、初めて頂上に立ったYさん、Fさん、フリー参加のTさんの3人だけで記念写真。


頂上でのランチタイムも間を空け、互いに向き合わないようにして過ごした。11時55分、蝦夷松山(前方の三角峰)に向かって下山を開始。


蝦夷松山の手前から西側に下る「花の道」を利用する。復路で見られたのは、(左上)樹皮が捲れたカンバ[樺]、(右上)ヤマモミジ[山紅葉]の実、(左下)ホオノキ[朴の木]の緑葉、(右下)ヤマモミジ[山紅葉]の緑葉。


そして、(左上)オオヤマオダマキ[大山苧環]、(右上)オオバタケシマラン[大葉竹縞蘭]、(左下)コケイラン[小蕙蘭]、(右下)コウライテンナンショウ[高麗天南星]。


オオバタケシマランをもう1枚。


ゴール(林道ロータリー十字路)の約400m手前で道を逸れ、滅多に行かない「神山霊場奥の院」に立ち寄ってみた。


「神山霊場奥の院」には、笹流川の一支流に架かる鉄製人道橋(昭和51年設置)を渡った先に、無人休憩所と不動尊像などがあった。微かに硫黄臭が漂っていたが、硫黄冷泉が湧き出ていて、明治35、6年(1902、3年)から大正9年(1920年)まで、沸かし湯による湯治場が開かれていたとのこと。


14時25分、林道ロータリー十字路に戻って下山を終了。穏やかな姿の石仏が見送ってくれた。


約2か月振りの会山行であったが、天候に恵まれ、深みを増してきた緑葉と晩春~初夏の花々を愛でることができた。爽やかな自然にたっぷり浸ることができ、参加の皆さんも満足な様子であった。

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