会山行としては初めての藤山峠と502.1m無名峰(三等三角点:点名「鷹ノ巣」)を周回した。七飯町の藤城地区・上藤城地区・上軍川地区の境界にある藤山峠周辺は昨年と今年に、上藤城地区に位置する鷹ノ巣は今年に下見を行い、フクジュソウが見頃となる時期に山行を組んだ。参加は33名(峠から七飯林道周回組25名、鷹ノ巣周回組8名)。
北海道新幹線・新函館北斗駅付近から望む鷹ノ巣(2019年4月16日撮影、右端は七飯岳の一角)。三角形だが、左右で傾斜が異なる特徴的な姿を見せる。藤山峠は、江戸時代から鹿部・軍川方面と函館方面を結ぶ幹線道が通っていた。名前は明治初期にあった藤山村から(明治14年に藤山村と城山村が合併して藤城村となった[七飯町史による])。
4月10日(金)、自然部員を中心に下見を行った際、藤山峠手前の山道に被る笹を刈り払った。
本番当日、七飯町の国道5号線・赤松街道沿いにある藤山地蔵堂の角から山側に入り、突き当りの丁字路(C145)を左に折れる。鷹ノ巣周回組は電源開発(J-POWER)の送電線下に車2台、七飯林道周回組はさらに350mほど入った林道ゲート手前の駐車スペースに停める。藤山峠に至るダートな山道の入り口に全員が集合し、コースの説明を聞いて9時35分に出発。
山道の脇で、エゾエンゴサクやキクザキイチゲ、フクジュソウ、エンレイソウなど、春の山野草が出迎えてくれた。
針葉樹の葉には昨夕から今朝にかけて降った春の淡雪が残っていて、花が咲いたかのよう。
出発から45分ほどで、藤城川支流の深い谷を渡る。その少し手前を進む七飯林道周回組の一行。
谷を渡ったフクジュソウ畑で小休止。傍らにオヒョウの大木がスックと立つ。
出発から1時間10分、城岱スカイラインが通る藤山峠に上がる。昨年5月の下見でマダニが十数匹も付いた笹藪は、二日前に自然部員が刈り払ってくれたので快適。
藤山峠(城岱スカイラインから七飯林道が分岐する地点でもある)で全体写真を撮る。ここから、七飯林道周回組と鷹ノ巣周回組に分かれて行動した。
鷹ノ巣周回組8名は、城岱スカイラインを南東方向に辿る。まだ冬期閉鎖中なので、車の心配は少ない。
藤山峠から約1.3km、約20分で鷹ノ巣への取り付き地点(送電線をくぐる少し手前)に到達。小休止の後、笹薮漕ぎに備えてポールをザックに仕舞い、背丈を超える笹薮の中に一歩を踏み入れた。
辿るルートの笹薮状況。少しワイルド…。
取り付いて30分弱で鷹ノ巣の三角点に到着(出発から2時間20分)。二日前に笹を刈り払って広くした頂上で、ランチタイムとする。全体写真を撮って、地形図と方位磁針で目指す南尾根の方向を全員で確認し、12時25分に下山開始。
南尾根は、トドマツ林(人工林)やカンバ・ブナ林(自然林)が混交している。下草の笹は薄いので、歩くのに苦ではない。
トドマツの幹に残る、ヒグマの爪痕。
笹が少ない地表面に見られた、ツルリンドウの葉とナニワズの花。
面白い姿のブナを発見した。一見普通の幹だが、よく見ると三本や二本に分かれ、上部でまた一本にくっ付いている。「どこかの国の野党みたい」との声。
12時55分、電源開発(J-POWER)の送電線下に到着して休憩をとる。西方の展望をどうぞ。
ここから送電線下、整備された巡回路を北西に辿る。多少のアップダウンはあるが歩きやすい。途中で七飯林道周回組から、下山終了の連絡が入った。
小さな谷には、手摺りや橋も設置されている。
ネコヤナギやエゾエンゴサク(写真は細葉と標準葉のコラボ)、各種スミレ、ギョウジャニンニクなどを眺めながらゆっくり進む(最後者は眺めただけか?)。
13時50分、巡回路の階段を使って、停めた車のすぐ脇に下山(鷹ノ巣から1時間25分)。フクジュソウの群落が見送ってくれた。
藤城地蔵堂の内部を見学して古(いにしえ)の雰囲気を味わってから、帰宅の途に就いた。新型コロナウイルス感染防止対策が新しい局面に入ったが、移り変わる自然の景観に浸ることができた、幸せな一日であった。