函館市陣川地区の背後に位置する雁皮山(がんぴやま、本峰743.3m)。定番の蝦夷松山(667m)経由で登り、「花の道」を下って、山野草観察と眺望を楽しんだ。最近は6月上旬に訪れていたが、2016年以来の5月実施となった。参加は16名。
函館市陣川町の「こぶし座」前に3台、裏手林道を上がったロータリー十字路にRV車2台を置かせてもらい、8時28分に出発。
C270から登山道に入る。道の脇に、この時期の山野草が次々と姿を現してくる。[左上]ニシキゴロモ(錦衣)、[右上]ヒトリシズカ(一人静)、[左下]ミヤマエンレイソウ(深山延齢草)、[右下]クルマバツクバネソウ(車葉衝羽根草)。
C300付近の針葉樹林帯で、何かを見つけた一行。
[左上]上の場所にあったルイヨウボタン(類葉牡丹)、[右上]C320の沢越え地点にあったコミヤマカタバミ(小深山傍食)、[左下]花を開き始めたタチカメバソウ(立亀葉草)、[右下]お馴染みのエンレイソウ(延齢草)。
エゾヤマザクラ(蝦夷山桜)の古木が、空に向かって広げた枝に、たくさんの花を咲かせていた。
[左上]この時期の常連、キクザキイチゲ(菊咲一華)、[右上]ミミコウモリ(耳蝙蝠)の葉、[左下]フッキソウ(富貴草)、[右下]ナニワズ(難波津)。
C490付近の十字路で休憩。水分と行動食を摂って、蝦夷松山に続く登山道を進む。低い雲が少し切れて、陽が射してきた。
緩い登りで見かけたのは、[左上]ナツトウダイ(夏燈台)、[右上]オクエゾサイシン(奥蝦夷細辛)、[左下]ヒメイチゲ(姫一華)、[右下]サンカヨウ(山荷葉)。
蝦夷松山の頂上に近づくと、大きな岩が現れてくる。ストックを短く調整し、足元を見ながら慎重に登る。
コヨウラクツツジ(小瓔珞躑躅)の小さな赤い花が目についてきた。名前の由来は花の形が、仏像が身につけている装身具の瓔珞(ようらく)に似ていることから。
北東方向に三森山(842.1m)を望む。
蝦夷松山頂上直下の岩を乗り越える。
蝦夷松山の頂上からは、函館市中心部方面の眺めが良い。中央のビル群の中に、五稜郭タワーが見えている。
Ymさん手製による、新しい山名標識を設置した。
ここから雁皮山に向かう稜線で、シラネアオイ(白根葵)とツバメオモト(燕万年青)が次々と迎えてくれた。稜線上の深い亀裂の中に、未だ雪が残っていた。
葉に斑が入ったミヤマスミレ(深山菫)。
石楠花山(雁皮山に連なる尾根の肩)の手前の岩場に挟まっている岩塊は、いつも落ちそうだがず~っと落ちない「受験生の神様」。
石楠花山は笹が刈り払われていて、休憩に適している。西側の展望が開け、雁皮山本峰・北峰から西にのびる尾根の途中にある611岩峰が見えた。
足元には580岩峰と、遠景は七重浜方面から当別丸山(482.3m)。
稜線上に咲いていたエゾヤマザクラ。
雁皮山の本峰が近づいてきた。
11時47分、雁皮山の本峰に到着。早速、恒例の全体集合写真に収まる。
頂上に咲いていたフデリンドウ(筆竜胆)。
頂上で陽を浴びて、しっかりと開いたシラネアオイ。
頂上からの展望をどうぞ。北東方向に、寅沢川と松倉川の谷を挟んだ三森山(842.1m)。
東方向には、亀田半島の山々。
南方向は、蝦夷松山と辿ってきた稜線。
頭上には巻層雲がかかって日暈が現れ、飛行機雲も何本か見えた。ひそかに期待していた「環水平アーク」は現れなかった。
12時20分に下山を開始。蝦夷松山の手前から、通称「花の道」を下がっていく。下り始めはシラネアオイやツバメオモトをほとんど見かけなかったが、途中から見事な群落となった。二態ずつご覧ください。
石仏が立ち並ぶ林道に出て、不動明王像や千手観音像を拝みながら14時55分、ロータリー十字路に到着。
ロータリー十字路で挨拶と今後の会行事予定を確認して解散した。
春本番を告げるたくさんの花々を愛でることができた。特に下りの「花の道」下部では、シラネアオイとツバメオモトの群落が見事であった。6月上旬とは違う花が見られて、時期の違いが感じられた。